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たまご考

 9月になっても猛暑続きの毎日です。この異常な暑さにダウンしたのは人間様だけではなく、牛やニワトリも相当数が死んだそうです。それでもこれといって牛乳やたまごの値段が上昇したという話を聞かず、近所のスーパーは相変わらず“2000円以上お買い物をした人はたまご1パック1円”キャンペーンをやっています。

 私もかつて何度か“1円たまご”を買ったことがあるのですが、あれは品質や鮮度に問題はないのでしょうか。1円たまごを目玉焼きにしようとコンと割ってみると白身も黄身も弾力がなく、ダラっとフライパンに広がり鮮度に疑問符がつきます。

 普通のたまごも1円たまごほどではないにしてもどうもプリプリ、もっこり感に欠ける気がし、私が買うのは決まって“初産みたまご”という初卵をパックしたものです。コレステロールが高い私にはサイズが小さな初産みたまごは好都合です。何よりも若くて元気なニワトリが生むたまごには独特の臭みがないし、白身も黄身もしっかりしています。

 スーパーでは1円たまごサービスデーには初産みたまごは商品棚から撤去されるので、毎度店員さんにお願いして奥の方から出してきてもらうほどのファン。Sサイズの初産みたまごを見ていると数年前自宅で飼っていたヒヨちゃんたちが産んでいたたまごのことが懐かしく思い出されました。ニワトリは丈夫な生き物だと思っていたのに案外短命でした。今のニワトリは年中空調の効いた部屋の中でしか生きられないのかもしれません。

 ところで“たまご”の表記法には3通りあります。たまご(タマゴ)、玉子、卵。混同しても大して差支えないことですが、暇にまかせて使い分けを考えてみました。

 たまご(タマゴ):一般的な意味や概念。例、スーパーのたまご売り場、医者のたまご。

 玉子:料理名や調理方法に関連して使われる。玉子焼き、玉子ご飯。

 卵:卵子の卵(らん)とか有精卵のように生物学的な存在。医者は卵からふ化して誕生するわけはないのでやはり「医者のたまご」でしょう。

 ニワトリが産み落とした“卵”は養鶏場で梱包され出荷されるときは“たまご”という商品に変わっています。そしてキッチンでゆでられたり割られた瞬間、“たまご”は“玉子”に変身するのです。

本誌:2010年9.20号 12ページ

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