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旅の効用

 週末台北まで2泊3日の小旅行をしました。定刻の午後6時40分にはドアが閉まり、窓越しに冷たい冬の雨を眺めていました。2時間後には南国の空気を吸えるのだと思いながら。

 ところがビジネスクラスに泥酔した客が乗っていたとかで、飛行機はスポットに止まったままビクともしません。結局、彼らを飛行機から降ろすのに2時間もかかり、台北に着いたのは夜10時過ぎでした。

 ホテルにチェックインして大急ぎで名物の小籠包を食べに町へ出掛けてみたものの、すでに閉店アウト。空しく吉野家で牛丼を食べてふて寝しました。

 翌日はバスと地下鉄を使って市内見物。市内を縦横に走るバスはどこに行くにも安くて重宝します。ところがホテルに帰るとき乗ったバスは超満員で身動きがとれないくらい。私の背後にいた男が質(たち)のよくない咳をゴホゴホ、ゲホゲオ、ズルズル浴びせ掛けてきます。

 満員のバスの中を見回しても、咳などしてるのは後ろの男だけ、新型肺炎だったら大変なので私は乗降口の方へ移動しました。するとその男も私が動く分詰めてきて、最後まで咳地獄から逃れることはできませんでした。

 帰りの飛行機は順調に離陸。しかし、またまた不幸が待っていました。私の後ろの列には低学年の子供を2人連れた若いお母さんが座っています。悪い予感がします。前の席を蹴らない子供はいないという法則。

 ジャンボの広い機内を見渡したところ子連れ客は後ろの3人だけ。またも私は自分が“選ばれた人”であることを実感しました。

 でも考えてみると旅(トラベル)にトラブルはつきもの。そういうトラブルに腹をたてたりため息をついたりしているうちに、日ごろのストレスの多い介護生活のことを忘れることができるわけですからこれこそが旅の効用だと思います。愉快なことで憂さ晴らしできればそれにこしたことはないのですが…

本誌:2009年3.16号 14ページ

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