WEB VISION OKAYAMA

連載記事

国会答弁珍国語

 三転四転する2兆円ばらまき案の陰で、麻生首相の漢字の読み間違いが新聞をにぎわしています。「頻繁」かつ「未曾有」の首相の失態。麻生さんはこれらを“はんざつ”、“みぞうゆう”と読んだり、「踏襲」を“ふしゅう”と読んだり。

 “ふしゅう”と聞くとほぼ100%の人は「腐臭」という字を思い浮かべるでしょう。首相が好きな漫画本ではこういう漢字にはちゃんと振り仮名が振ってあるはずですが…

 麻生さんに限らず身近にも傑作読みをする人々がいます。ある人が“ほっさく、ほっさく”と繰り返すので一体何のことかと思ったら「掘削」でした。「掘る」のホとサクを勝手に湯桶読みしているところは麻生さんの“ふしゅう”といい勝負です。

 小学校6年のとき、漢字の読み方テストがありました。隣の席の子が「断る」という字に“なぐる”と仮名を振っているのを横目で見たときは思わず笑ってしまったものです。

 確かに「殴る」によく似ているし、人の頼みをうかつに断ると殴られることも。そういえば“若い”という字は“苦しい”字に似ているといった歌詞の流行歌もありました(悲しみは駆け足でやってくる)。

 私はこういう読み間違いや連想はむしろ漢字のもつイメージ喚起力のすごさであって、教養うんぬんの問題にしてしまうのはつまらないなと思います。

 とはいえ、国会答弁などでよく耳にする“ちょくさい(直截)”は正しく“ちょくせつ”と読んで欲しいし、舛添厚労大臣がよく使う「喫緊の課題」の“きっきん”などという目くらまし語は何とかならぬかという気がします。

 閑話休題。読み間違いを指摘された麻生総理、「あ、そう?」と気にもとめてないところがいかにも良家のぼっちゃんらしく憎めません。

本誌:2008年12.1号 16ページ

PAGETOP