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クレジットカードのたそがれ

 携帯電話に心当たりのない番号が着信記録されていて気色悪いなと思っていたら、その後も1日1回微妙に時間帯をずらしてかけてきました。

 大阪の市外局番であるところをみるとさてはナニワのその筋、それとも借金取り?などと不安がつのります。しかし、借金など1円もないし裏社会から狙われるほどの人間でもないし、私を怯えさせるのはいったい誰? 

 4回目、ついに勇気を出して電話に出てみたらクレジットカード会社からでした。ちょっとほっとしたものの用件を聞いて少し憂鬱になりました。私のVISAカードがアメリカで不正使用されたというのです。

 問い合わせがあった買い物には心当たりがない旨を告げると、その場でカードを無効にしてくれ、私も被害を免れたのですが、改めてカードのセキュリティの脆弱さを思い知らされました。

 なるほどネットでの取引にはいろいろセキュリティ対策がなされている、といっても基本はカード番号と有効期限というカード本体に明示してある情報だけで決済が完了するという大変な“ざる”であることには違いありません。

 これに対し、カード会社はカード所持者の利用パターンを常時モニターすることで対抗。モニターと言えば聞こえがいいけれど、要するにコンピュータで顧客の消費行動パターンを監視しているわけです。

 モニタリングのおかげで不正利用がいち早く見つかるのは事実ですが、それはとりもなおさず、会員1人ひとりがどんな商品に興味をもっているかがデータベース化されていることを意味し、あまり気持ちがいいものではありません。

 50年ほど全盛期が続いたクレジットカードもそろそろ退場の時期を迎えていないでしょうか。安全便利、すべての人が使え、しかもプライバシーが徹底的に守られる21世紀にふさわしい決済手段が1日も早く考案されることを期待しています。

本誌:2008年6.30号 12ページ

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