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三ツ星・カンテサンス

 グルメ界で最も権威のあるミシュランガイドが初めて日本版を出すことになり、このたび全容が公開されました。

 本場パリでも三ツ星は10軒しかないのに和洋食合わせ8軒が認定された東京は、世界でも最高のグルメ都市であることが証明されたことになり、マスコミもおおはしゃぎで報道していました。

 さて、その中の1軒、白金台のフレンチ「カンテサンス」は、10月に上京したおりにランチを食べに寄った店で相当なインパクトがありました。若いシェフ、岸田さんが創り出す料理はどれもこれも手品みたいで繊細優美にして、なおかつ力があるのです。

 カンテサンスが店を出したのは昨年の3月のこと、オープン以来ずいぶん話題になったので、いきなりの三ツ星も東京のグルメたちには当然と思われていたようです。

 田舎者の私としては、シロガネーゼらしきヤングセレブマダムたちに夾まれて、まるで料理と雰囲気に対決しているような気分でした。

 カンテサンスの一体何がこんなに力強く迫ってくるのか、冷静に考えてみたところ、岸田さんの料理は知性によって創られているからに他ならないという気がしました。

 伝統、格式、こだわり…などと形容される料理とはいっさい無縁。若いシェフが織りなす料理は、舌だけでなく大脳にも直接訴えかけてくる最高のパズルで3時間は十分遊べます。

 席に着いた時は緊張したものの600種あるというワインをお任せで注いでもらっているうちにすっかりうちとけてきました。たまにはこんな昼食もいいものです。

 最後にシェフ自ら私が街角に消えるまで見送ってくれました。好感度は↑↑↑ 、三ツ星ならぬ三矢でした。

本誌:2007年12.3号 14ページ

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