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アルジェリア紀行(5)

 仕事でアルジェリアに行った話なのに前置きが長くなってしまいました。今日は私の珍通訳ぶりをご紹介します。

 オラン近郊、アルズー地区に日揮(株)が中心となって建設していた石油精製プラントは、非常に大規模なもので常時4、500人の技師、専門家、総務などの本社スタッフが駐在していました。ほかにも下請け、孫請け、協力会社社員などもいて、日本人だけでも1000人ぐらいいたかと思います。

 私が通訳を担当することになったのは配管部門です。ところが最初に書いたように、私のフランス語はまことにお寒く実践とは程遠いものでした。でも技師の皆さんは優しい人たちばかりで、私が立ち往生した時など、「俺が通訳する方が早いワ」などと苦笑しながらも助けて(?)くれていました。

 20数名いた通訳の中で私の実力はたぶん最下位だったと思うのですが、「何も恥じることはない、会社はそれを承知で雇ったのだから」と自分を慰めていたものです。

 かてて加えて、日常フランス語会話もままならないのに専門用語は日本語でも初耳のものが多く、私の頭はいつもパニック。「この部品は“ショードン”したものを使う」と技師に通訳を命じられた時、“ショードン”などという英語かフランス語かは初耳だなあ、と思ったら「焼鈍」(やきなまし)というれっきとした日本語だったり、失敗は数え切れません。

 相手が言っていることが理解できない時どうするかというと、ひたすら聞き返すのみ。2度聞いて分からないものは、3度も4度も聞き返すのです。

 そんな毎日でしたが2、3カ月過ぎたころから何とかなるようになったから不思議なものです。耳が慣れたのと配管セクションの全貌がおおよそ頭に入ったからです。 =続きは随時=

本誌:2007年1.22号 12ページ

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