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勝ち組親子

 10月初旬、沖縄県の西表島に行ってきました。連休前の平日というのに小学生連れがけっこう多い。今どき、子どもの”皆勤賞”にこだわる親は少数派なのかもしれません。

 野生生物保護センターでイリオモテヤマネコを見た後、島随一の高級ホテルのレストランに立ち寄ってみました。

 私の背後には40歳代ぐらいの夫婦と、小学生の姉弟の一家4人が座っていて、メニューを見ながら品定め。微笑ましい家族の団らんです。

 突然、男の子が小さな叫び声を上げました。「ランチ、2200円、安ッ!」。「ウーム、これは小学校低学年のセリフじゃないよなあ。こいつはふだん何を食ってるんだろう?」思わず振り返ってその子を見てしまいました。

 小太りの男の子は、いかにも学校でイジメにあうタイプ。IT長者風のお父さんは娘と息子に「人生ここ一番という時は競争に競り勝たなければならないよ」などと人生訓を垂れているのが聞こえてきます。

 男の子は悪びれる様子もなく「パパ、会社設立1周年記念おめでとう、ママ、お誕生日おめでとう」と乾杯の音頭をとって食事が始まりました。

 我々団塊の世代くらいまでは、本音は疑わしいけれど、「世の中の役に立つ人間になれ」と教えられて育ったものですが、ホリエモン世代はストレートに「競争に競り勝て!」と子どもの尻をたたいているんですね。

 日本が将来、安倍首相が望むような「美しい国」になることは期待薄です。

本誌:2006年10.16号 12ページ

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