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休館日

 毎週月曜日に休業するのは理髪店だけではありません。ほぼ例外なく美術館、博物館、図書館などと“館”と名の付く公共施設は、軒並み月曜日を休館にしています。閉める理由は職員の休養というのが一番のようです。

 しかしながら、明治以来の“悪しき伝統”もここにきて潮流に変化が見られ始めました。2、3実例を見てみましょう。

 日本庭園と横山大観のコレクションで名高い島根の足立美術館。創立者である足立全康氏の、自由で大胆な発想がギャラリーや庭園の随所に感じられ、「お客様を楽しませよう」という熱意が直に伝わってきます。当然年中無休。

 公立では石川県立美術館が何と1975年4月から年中無休に踏み切っています。美術館のホームページ(http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/gaiyo/index.html)にそのいきさつが掲載されていますが、要するに“知事のひとこと”が効いたのが面白い。

 図書館では、岩手県立図書館が今年5月から今までの月曜休館を廃し、月末1日だけの閉館になりました。これには公共施設の運営を民間が行う「指定管理者制度」の活用という背景がありますが、そこに至るまでさぞ侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が沸騰したであろうことは容易に想像されます。

 しかしながら、図書館や美術館は言わば“装置産業”。立派な施設や収蔵物、蔵書を誇っても利用されなければ価値はありません。

 足立全康氏や石川県の当時の知事などのトップダウンでしか、利用者のことを考えられない状況が続くのなら、そのうち全ての公共施設の運営が指定管理者制度による運営に代わっていくのではないか、そんな気がします。

本誌:2006年7.31号 12ページ

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