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古書探索

 IT時代になって一番ありがたいと思うのが古本の購入です。今でもたまさか上京すると神田の古本屋街に直行、懐かしい古本の匂いに浸ってはしばし幸福感を味わうものの、探している本が見つかった試しがありません。古書の探索はまさに五里霧中です。

 しかし、今や情況は様変わり。私がもっぱら愛用しているのは「日本の古本屋」というサイトです。全国2400軒の古書店が瞬時に検索できますし、また、どこにも在庫のない本はリクエストしておけば入荷しだいメールで知らせてくれます。

 配達された古本を手に取ってみるとネットの向こうにいる本屋さんの素顔が見えてきます。代金先送りの店(お客を信用してないな)、後払いでいい店(これが普通)、真夜中にメールをくれる店(遅くまで1人で働いているんだ!)、手書きのあて名の温もり、端を折り返したセロテープの気遣い。

 共通して言えるのは古書の状態がどれも素晴らしくいいこと。図書館の本がしばしばボロボロになっているのと大違いで、出版されて何十年ぶりかで私のところに来た本は美しく年とっています。

 「その本のためなら何万円払っても構わない」と激しく思い込んでいる本が出版時の価格よりも安い1200円ぐらいで売られているのを発見した時など、3冊あれば3冊とも買い取って「我が家を安住の地にしておくれ」と言いたい気持ちになります。

本誌:2006年6.5号 14ページ

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