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ピイちゃん

 10月下旬ごろ、山道をウォーキングしていたら側溝の落ち葉の上をカサコソ動くものが目にとまりました。ねずみか大きな昆虫かと思ったら、何とスズメの幼鳥でした。

 タカのような猛禽類に襲われたのか、目の下から鮮血が少し出ているし、左翼が折れて飛ぶことができません。自宅に連れ帰りとりあえず水と餌を与え安静にして、こういう場合どうしたらいいかネット検索しました。

 ケガの手当て、餌の問題などいろいろ調べているうちに、野生動物を飼育することは法律で禁止されていること、都道府県が鳥獣保護事業をしていることなどが分かり、県の鳥獣保護センターにおまかせすることにしました。

 たった二日でも家にいて私が与える餌をぴいぴい鳴きながら食べる「ピイちゃん」を役所に提出するのは悲しく、また野生に戻せるまで回復しない場合は安楽死させることもあるというセンターの説明にとまどいもしました。

 それから2カ月、ピイちゃんのことも忘れかけたころセンターからハガキが届きました。そこにはピイちゃんが両翼を広げて羽ばたいているカラー写真が添えられ、「順調に回復したので自然に帰しました」という詳しい経過報告が書かれていました。何といういい知らせ!一生懸命治療と訓練をしてくれた職員に感謝感激です。

 ケガしたスズメを保護するだけの気持にゆとりがある人間がいる(私のことですが)、そして、それをサポートする行政がちゃんと機能している!幸福な国に住んでいることを実感した事件でした。

本誌:2006年1.1号 56ページ

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