WEB VISION OKAYAMA

連載記事

ひ骨神経まひにご用心

 今年3月、母が庭で転びそれをきっかけに左足首がまひしてしまいました。しかし、整形外科の先生は「転んだだけで足がまひすることは考えにくい」と首をひねられる。

 よくよく考えてみると、転倒した夜、母のひざの下にぬるま湯を入れたペットボトルを湯たんぽ代わりにあてがったまま寝かせてしまった。そのことを先生に申し上げたら、「原因はそれに違いない」ということでリハビリ、ビタミン剤の服用、電気刺激療法などが始まりました。

 しかし、1カ月たっても2カ月たっても、まひした足首は上がらず、余計なことをしたばっかりに母からわずかに残っていた歩行能力まで取り上げてしまった自分を責める毎日でした。

 ただ、ひとつの希望は、先生が言われた「このまひは3カ月ぐらいでよくなるケースが多い」の一言。ところがその3カ月も過ぎて回復をあきらめかけたころ、ふと母の様子を見るとなんとなく足がスッスと前に出ている!

 切れた神経がつながったのです。一端は寝たきりを覚悟していただけに、80の半ばを過ぎてもなお神経を蘇生させる母の生命力には驚かされました。

 腓骨神経というのはひざ坊主のあたりの浅いところを通っている神経で、足首の曲げ伸ばしに関係し、長時間正座したり、ストッキングで締め付けすぎても簡単にまひが起きてしまうことがあるそうです。

 そんな大切な神経がなぜ体表の浅いところを通っているのか創造主にお尋ねしたいぐらいです。ともかく低温やけど、誤嚥性肺炎、床ずれなど、お年寄りを静かに襲う病気やケガには常に警戒を怠ってはいけないことを教えてくれた片足まひ事件でした。

本誌:2005年7.11号 18ページ

PAGETOP