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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

カナダ旅行(3)カナダと日本

 カナダのいとこたちとは高校生のころから交流があります。2歳年上の従姉キャスリーンが初めて日本にやってきたのは最初の東京オリンピックがあった1964年ごろだったと記憶しています。当時、海外からの観光旅行客はとても少なく、どうおもてなししていいのか父にも母にも分かりません。60年前の日本の農村の暮らしというのは現代からは想像もつかないくらい貧しく、キャスリーンもびっくり仰天の日本滞在だったに違いありません。

 それでもキャスリーンは自分の父親が生まれ育った家を訪ね、祖父母のお墓参りもできたことをとても喜んでいました。それ以来、半世紀以上の長い年月を通じて彼らが日本にやってきたり、こちらからカナダに出掛けたりと、いとこ間の交流はずっと続いています。また彼らが長い冬に耐えかねてハワイに遊びに来るときは旅程を示し合わせて、何度かハワイで「いとこ会」を開いたことがあります。

 太平洋を挟んでカナダと日本という二つの国でそれぞれ生まれ育った、私たちいとこ同士、長い人生の終わりが近づいてきて今振り返ってみると、教育、文化、暮らし、価値観、世界観においてそんなにも大きな差もなく、平和な今の生活を送れているように感じます。

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本誌:2024年GW特別号 17ページ

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