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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

倉敷えびす商店街

 久しぶりに倉敷美観地区に出かけました。“革工房バロール”という革製品の店がえびす通りの中程にあり、数年前にそこで購入したベルトがとても頑丈で装着感がよく長年愛用、このたび革が少々くたびれてきたのでまったく同じものを作ってもらいました。

 店はスペインによくある革製品屋さんのようなしゃれたテイストであふれ、聞くところによるとご主人は若いころ彼の地で修行されたそうです。10年前ぐらいだったか初めてその店を訪れたときは、えびす商店街といういかにも古めかしい町並みの中でバロールさんの店は少々浮いているように感じました。

 ところがコロナ禍で観光客が消えてしまったこの2年ほどの間に商店街は静かに変貌しました。飲食、創作雑貨店など若い世代による若い客層を狙った店があちこちにオープンし、どの店もえびす商店街の老舗店とうまく調和し、いい雰囲気を醸し出しています。もはや革工房バロールも浮いていません。

 1972年に山陽新幹線が岡山まで開通し、空前の倉敷観光ブームになったころのえびす商店街ははっきり言ってお寒い通りでした。美観地区にたどり着いても見所は大原美術館とその周辺のごく狭いエリアに限られ、おそらく遠方から新幹線でやってきた倉敷はある意味「がっかり観光地」だったのではないでしょうか。とりわけ大原美術館の休館日などは。

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本誌:2022年GW特別号 14ページ

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