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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

市街化調整区域

 実家がある地域は、私が子どものころは里山と田んぼだけののどかな土地柄でした。今でも市街化調整区域なのですが、いつのまにか虫食い状に田んぼが埋め立てられ、そこに4、5軒ほどの真新しい住宅があちこち建っていきます。寂しげな田舎に若い家族が引っ越してくるのは大歓迎なのですが、都市計画、道路計画がないままなし崩し的にいびつな住宅街が形成されています。

 そもそも市街化調整区域に家が建ち並ぶのか不思議です。調べてみると結構例外規定があるものですね。

 ・まず一定規模の農家が自分用に家を建てる場合。転売は農業をする人にしかできないようですが、もちろん抜け道はあるでしょう。

 ・個人開発住宅。これは近所に一定距離の割合で50戸の家が建ち並んでいる場合に限り開発の許可がおりる。住宅ローンも使えるし転売も可能。

 ・それともうひとつのケースはもともと居住用住宅が建っていて、それを建て替える場合。住宅ローンを使えるし転売も可能。“非農家”の我が家はこれに該当しそうです。

 こうしてみると都市近郊のいたるところで見かける新築住宅は大部分「個人開発」によるものでしょう。高齢化で農業の跡を継ぐ子どもがいなければ、先祖伝来の田んぼを1枚、また1枚と開発業者に売っていくしかないのが実体だと思います。

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本誌:2022年2月28日号 12ページ

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