昨年秋、我が国では新型コロナ感染症はほぼ終息したと言っていいレベルまで落ち着いていました。ところが年明け早々目を疑うような感染爆発が再燃し、新型コロナという病魔の執念深さを見せつけています。

　暮れに、１月中旬に3泊の予定で上京する計画を立て、もう何年も会っていない旧友達にも会う約束をしていました。ところがこの状況になり、友人の方からコロナを心配する電話がありました。私はホテルの予約もできているしできれば予定通り事を運びたい。「そうだ、旅行直前にPCR検査か抗原検査を受けて、その結果を見せれば友人達も安心するのではなかろうか！」

　そう思って御用始めの日に岡山県の担当部署に電話してみました。担当の方に、岡山県でも無料検査を受けられるかどうか尋ねたら、実に申し訳なさそうに「今のところ実施していません。ただ状況が変わったらホームページやマスコミを通じてご案内します」とのこと。

　私は少し恐縮しました。年明け早々仕事始めの忙しい時にこんな暇人からの問い合わせに答えるのも大変でしょう。気が引けます。でもそれにしては、電話を切るのが名残惜しいというような空気も伝わってきたのが引っかかりました。それもそのはず、岡山県においても無料のPCRおよび抗原定性検査の実施要領は策定済みで公表を待つばかりだったようです。「決まっていたのなら教えてくれたらいいのに」、いやいや、役人の生理学として未発表の事柄については口が裂けても「その方向で実施を検討しています」などと回答してはならないのは当然と言えば当然のことです。

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