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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

「正の注目」「負の注目」

 このコラムを執筆している今は8月の終わりです。今年は夏休みが変則的だったり、夏休みが延長したりと、影響を受けている方もいるかもしれませんが、通常であれば今頃子どもたちは夏休みの宿題に追われている時期かもしれません。

 前回のコラムでは「困った人」をどう指導するかというお話に触れました。「困った人」に困っている方はきっと大勢いらっしゃいます。けれど、良かれと思ってその人の成長の根をつんでいることはないでしょうか?あなたにも身に覚えがあるかもしれません。宿題しなさい!と、言われるからやる気がなくなってしまう、ということが。

 アドラー心理学には「正の注目」「負の注目」という言葉があります。いいところに注目すればいいところが伸びてくる、ダメなところに注目するとますますダメになっていく。という不思議なことが人には起こります。「宿題はしたの!?見せてご覧なさい」「始業式の日に叱られるのはあなたなのよ」「だから、計画的にやりなさいって言ったでしょ」と親はつい口に出してしまいます。それは、叱られるのはかわいそうだ、という気持ちや、将来のために計画的に物事に向き合った方がいいことを教えたいということや、だらしない親だと思われたくないといった気持ちや、いろいろなことが混ざっているかと思います。

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本誌:2021年9月13日号 20ページ

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