WEB VISION OKAYAMA

周年―歩みと未来設立50周年 ㈱トータルデザインセンター社長 上村祐貴氏

「遠慮ない提案」で信頼つかむ 選ばれ続ける唯一無二の存在目指す

  • 上村祐貴社長

 8月に設立50周年を迎えた㈱トータルデザインセンター(岡山市)。老舗のデザイン制作会社として、紙・ウェブ媒体からパッケージ、ノベルティまでさまざまな企画で、企業のブランディングやマーケティングを支援している。その一方で近年は、デザイン会社ならではの地域貢献を掲げ、児童養護施設の支援に力を注ぐ。上村祐貴社長に50年間の歩みと今後のビジョンを聞いた。


 50年間の歩みは。

 創業者の中村忠司が京都の印刷会社を経て、1970年8月に、写真植字機を使い版下を作る写植業務とデザイン全般を手掛ける会社として㈱トータルデザインセンターを設立しました。設立当初は、新聞広告の写植や大手広告代理店の下請けがメーンでしたが、カメラマンを採用し、原稿作成から撮影、デザイン、写植までのワンストップ体制を整え差別化。企業との直での取引数を増やしていきました。私は老舗のデザイン会社で経験を積もうと2004年に入社し、取締役営業部長を経て11年に4代目社長に就任し現在に至っています。

 力を入れて取り組んできたことは。

 現在、約85%が企業からの直接の受注です。そのほぼすべてが既存客の紹介で、「クライアントの業績を伸ばす」ことを目的にブランディング、マーケティング支援に取り組み、結果を出してきたことが実績となり紹介にもつながっています。そのために大切にしてきたのが、クライアントからの要望を聞いた上で、本当に結果につながる方法や手段を「遠慮なく」提案すること。例えば、青系のデザインを希望されていてたとしてもターゲットに届く色や同業他社との差別化が図れる色が赤系統だと判断すれば、ワインレッドのデザインも提示します。遠慮なく意見を交わし合うためクライアントとの距離感が近く、ある意味「“ずうずうしい提案”が期待されている」とも感じているくらいです。

 近年では、創業100年近い老舗企業から今の時代に合わせた形にブランドイメージを変えるリブランディングを提案してほしいといった声が増えてきました。過去にとらわれない思い切った提案内容が支持されています。新設会社や新商品、新事業をPRするスタートアップ支援との2本柱で事業拡大を目指します。

 「はしながおじさんプロジェクト」など社会貢献活動に取り組んでいる。

 2016年に㈱にほん箸(兵庫県)から、はしを通じてできる新しいマーケティング方法について相談を受けていた時に、偶然、児童養護施設関係者との接点ができ、岡山県内にも13施設があり約400人の子どもたちが不自由な生活をしていることを知り支援を提案しました。対象のはしが売れると、同じ本数だけ児童にプレゼントする取り組みです。これをきっかけに、施設との接点が増え、子どもたちに職業体験の場を提供する「シゴトの図鑑PROJECT」を運営する(一社)かすがいを県内の弁護士らと19年に立ち上げました。農業や大工から花火師までさまざまな仕事体験を通じ将来の夢を持つきっかけを提供しています。4月から、農業体験をした児童が楽しさを知り農業法人で働き始め、活動してきたかいがあったとうれしく思っています。

 また、新型コロナウイルス感染拡大を受け、施設でマスクが不足しているとの声から、各家庭で使用しなかった政府配布の布マスクを募集したところ、全国から約3万5600枚が集まりました。25都府県390施設の子どもに届けることができ、多くのお礼の手紙が届き励みになっています。これからも、老舗のデザイン会社として地域に恩返しできるよう支援活動を続けていく方針です。

 今後のビジョンは。

 50年間で、広報媒体は紙からウェブに替わり、端末もパソコンからスマートフォンへと変化してきました。これから5Gがスタートすると動画が今まで以上に重要となってくるため、内製化できる体制づくりを進めていく計画です。今後も、クライアントの業績を伸ばすための企画や総合デザインという事業の軸はそのままに、時代やニーズの変化に合わせて事業の幅を広げていきます。デザインは社員一人ひとりが創造する職業のため、楽しんで仕事をしないと世間に響く提案はできません。社員が働きやすく、新しい情報も仕入れやすい環境づくりに努め、企業から選ばれ続ける唯一無二のデザイン事務所を目指します。


50周年ロゴマーク
12種類のマークを制作
デザイン力アピールに

 50周年を記念したロゴマークを社内のデザイナーから募ったところ、個性的な12種類が集まったため、すべてを採用して毎月ロゴマークを変えるという珍しい取り組みを始めた。

 全社員に各月のロゴマークを印字した名刺を配り、同じ人も含めて毎月配りきるよう徹底。上村社長は「配り続けることで周年のイメージを浸透させるとともに、デザイン力のアピールになれば」と話す。

 本社南側の窓もちょうど12枚に分かれていたため、すべてのロゴを掲示している。


会社概要

代表者 上村祐貴
所在地 岡山市北区奥田本町15-20
資本金 3000万円
事業内容 ブランディング、グラフィックデザイン、ホームページ作成、インターネットマーケティング、マルチメディアコンテンツ作成、写真撮影
従業員数 20人
売上高 約2億円
電話 086-231-8790
FAX 086-231-8799
ホームページ https://www.tdc-ad.co.jp

PAGETOP