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ジャーナル両備グループ

小豆島・内海フェリーを経営支援 航路再編し地方公共交通存続

  • 「地方公共交通を残すには早期再編が不可欠」と話す小嶋両備グループ代表
  • 「地方公共交通を残すには早期再編が不可欠」と話す小嶋両備グループ代表

 両備グループ(小嶋光信代表)はこのほど、経営不振に陥った小豆島航路を運航する内海フェリー㈱(香川県小豆郡小豆島町草壁本町1053-3)の経営を引き継ぎ、航路再編に着手した。少子高齢化で厳しい環境にあった経営に、春先からのコロナ禍が追い打ちをかけた格好だ。

 1956年設立の内海フェリーは、高松―小豆島・草壁港間を1日5往復運航。小豆島の人口減とともに利用者が年々落ち込んでおり、さらにコロナ禍で4~8月の利用客が前年比で6割近く減少。月1000万円の赤字が生じている状況という。

 加えて、14億円を投じた新造フェリーが9月24日に完成。今後、減価償却などで赤字額は月2000万円に膨らむ見通しで、自力再建を断念し両備に支援を申し出たという。

 両社交渉は2016年5月までさかのぼる。当時の内海フェリーのオーナーから経営支援の打診があり、万が一の場合の支援について小嶋代表との間で合意があったという。その後、オーナーが急逝し、後継社長がフェリーを新造してメンテナンスや燃料コストを削減するとともに、旧船をフィリピンへ売却する再建策を進めていた。

 しかし、コロナで利用が激減し、急きょ減便によるコスト削減を図ると年間約6000万円の大口取引先を失うことに。フィリピンへの売却交渉もコロナで棚上げ状態となり、資金繰りに窮することになった。

 両備グループでは、草壁港と約8㎞離れた小豆島・池田港と高松港を結ぶ航路を持つ国際両備フェリー㈱が8月31日付で株式を100%譲受し、田邉学専務執行役員が社長に就任。従業員26人の雇用は引き継いだ。また、内海フェリーの航路は来年3月末で休止し、池田8便、草壁5便の路線を池田10便に集約する。

 内海フェリーの経営破たんは免れたが、ことは一企業の経営問題にとどまらず、地方公共交通破たんの序章とも言えそうで、小嶋代表は「少子高齢化に加え、アフターコロナでも人の移動は10~20%減る。鉄道やバスも同じだが、コロナが引き金となり、再編を手際よく、早くやることが地域の交通インフラを残すための最善の方法だ」と、長年訴え続ける「公設民営」導入の必要性を強調している。

本誌:2020年秋季特別号 7ページ

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