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連載記事マネーの道しるべ 62

新型コロナウィルス後の世界へ向けて

  • 森康彰氏

 新型コロナウィルス問題で不要不急の外出を控えたことにより、飲食店やイベント業者を直撃しましたが、感染者が等比級数的に増えだしたことで医療崩壊の問題が顕在化してきました。ただ、今回は、非常時にお金をどのように循環させればよいのかについて考えたいと思います。

 飲食店に限る話になるかもしれませんが、「今後、接待交際費を全額損金算入させれば、税金による政府の支援は必要ないのではないか」ということです。接待交際費の損金算入への限度額は、昭和29年に租税特別措置法によって定められました。当時は「銀座の灯を消して、原子力の火を点そう」と、原子力開発予算を確保する必要があり、赤字国債を発行していなかったことから予算確保のため致し方なかったのかもしれません。

 アベノミクスでは、トリクルダウンは起きないことが実証されてしまいました。接待交際費を全額損金算入させることで、私たちの頭上にどんどん貯まっていくお金の底に穴をあけることができるのではないでしょうか。利益の出ている法人が街に出て、接待交際費で美味しいものを食べ、舞台を観てもらうことで、景気は大きく改善されるのではないでしょうか。もう、私たちは実感として理解できています。もうかっている企業の接待交際費を全額損金算入させることは金持ち優遇ではないことを。

 お小遣い制の家庭が多い中、パートナーに対して飲みニケーションも大切だからと追加のお金をもらうのは難しいですが、会社のお金となればなんの気兼ねもいりません。また、ちょっと内容の割に高いような気がするけど、会社のお金だし良いかと気前よく払えば、飲食店にとってもメリットが生まれます。日本社会が飲食業に求めた安さへの希求は貧しさの連鎖も生みました。

 今回のコロナ問題で、飲食業界をはじめ政府に援助を求める署名運動が起きました。その力を接待交際費に対する租税特別措置法改正への動きに変えることができたら、新型コロナウィルス以前よりも活気のある世界を迎えることができるかもしれません。

●森康彰●2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2020年4月27日号 9ページ

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