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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

言葉の引き出しを増やす

 こんなにいいのにどうして選ばれないんだろう?ビジネスの現場でそんな思いを持っている方はいないでしょうか。どうすれば伝わるのだろう、どうすれば欲しいと言ってもらえるのだろう、それはビジネスの現場での大きな悩みといってもいいかもしれません。マーケティングも必要ですし、認知を広げる活動も必要だと思います。

 しかし、忘れがちなもの、気づいていてもどこから手をつければいいか分からないものが「言葉」磨き、だと感じています。「価値を伝える」「ターゲットの心を動かす」言葉の生み出し方が分からないと感じている方は多いのではないでしょうか。

 告知文やPR文、自己紹介文の添削をさせていただく機会が多いのですが、ご相談者の多くが「語彙がない」「言葉を知らない」ことが伝えられない大きな要因だと感じているようです。本屋さんに行けば「語彙力」をアップすることが目的の本がベストセラーのコーナーに並んでいます。しかし多くの人の心を捉えようとする時、「正直に言うと」を「ありていに言えば」と言うなど、人をうならせる上質な表現をする必要があるわけではありません。

 ではどのように言葉の引き出しを増やしていけばいいのでしょうか。これをやったら、言葉が増えるアップなんて魔法の手段はありません。引き出しを増やし、言葉で埋めるためには、日常生活の中で「言葉への意識」を増やすことが必要です。

 まずは、身の回りにある言葉を意識してみてください。昆虫採集のように目をこらすと、街中にはたくさんの人の心を捉えようとする言葉が溢れていることに気がつきます。あなたの目を止めさせ、続きを読ませようとするプロが関わった言葉たちが溢れています。思わず目が止まってしまったポスターには、どんな言葉が大きく書いてあったのでしょうか。目を止めるから読めた少し小さな文字、それらを読み進めながら、この状況をどう言葉で表現しているのか、このサービスを体験したら得られる感情をどう表現しているのか、それらにアンテナを伸ばして欲しいのです。

 言葉の引き出しを増やすのは、日常の生活の中で、「言葉へのアンテナ」を立てておくこと。これしか言葉の引き出しを満たす方法はありません。あなたが気になった言葉、気持ちが動いた言葉はぜひストックしておくことを習慣化してみてください。

 その時に合わせてやっていただきたいのは、その言葉を見た時(読んだ時)自分の心の中で浮かんだ言葉にも焦点を当てていただきたいのです。人は「考える」とき、言葉を使います。脳内言語やセルフトークと言われる、独り言を頭の中で言っているのです。あなたのお客様はどんな頭の独り言を浮かべたら、あなたの商品やサービスをもっと知りたい、と思うのでしょうか。人が頭の中で「言葉」とともに考えていることに意識を向けること、そして対象者にぴったりな言葉を予測しておくことが響く言葉作りの基本となります。

 夜中のテレビショッピングでつい電話をかけたくなった経験はありませんか?購買意欲をかきたて、人に行動を促す工夫があの手の番組には凝縮されています。セールスライティングの世界では、なぜ?なに?どうやって?いますぐ?この4点を押さえておくことが大切と言われます。人がどう気づけられるきっかけは個性があり、押されるスイッチの場所が異なるので、この4点が大切と言われるのです。

 なぜ?=理由づけ、なぜこれをするのか。なに?=権威やエビデンス、客観的なデータお客様の声やアンケート。どうやって?=道筋が分かる、この手順で進むイメージができる。いますぐ?=気になったら、この行動をする(30分以内ならこれがついてくる)。そんな意識で見てみると、身近な生活の中にたくさんのヒントが溢れています。

本誌:2020年3月9日号 20ページ

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