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連載記事河村まどか マナー講座

洋食と和食のマナーの違い

 今回は、貴方様がご存じのお行儀を元に周囲の方々を注意なさっている事柄が、実は貴方様の方が間違っていることがないか、しっかり把握なさる機会になりますならば幸甚です。実際に、「弊社の社長に〇〇だ、と言われたのですが、いかがなものでしょうか?」と、貴方様のお行儀の知識に、どのように対応すべきかお困りのお方もいらっしゃいます。

 貴方様が、マナーの知識をお話しになっている内容が間違っていたとしても、皆様その場で、間違いを指摘なさることはありません。私も、貴方様の間違いを指摘することは致しません。貴方様には、気持ちよく蘊蓄(うんちく)を述べ続けて頂きます。貴方様が、裸の王様でいらっしゃらないことを願うばかりです。

 ①和食の場合は、ご飯茶碗サイズの器までであれば、器を持ち上げて頂きます。首を折り曲げて机に顔を近づけて食べないためにも、小さな器であれば持ち上げてお召し上がりになる方が、お行儀良く頂くことができます。

 しかし、洋食のマナーでは、お皿を片手で持ち上げることはしません。テーブルの上にお皿を置いたままお召し上がり下さい。

 ②和のマナーでは、お相手にお酒を注いで頂く時に、盃は手で持ち、お酌をして頂きます。しかし、洋のマナーでは、ワインを注いで頂く時には、ワイングラスを持ち上げることはせず、テーブルに置いたまま注いで頂きます。

 ③和のマナーでは、座っている時に、手をお膝に置くことをお行儀の良い振る舞い、と認識なさっていらっしゃる貴方様。しかし、洋のマナーでは、お相手に見える位置である、テーブルの上に手を置くことがマナーですので、一概にお相手に手を見せていることがお行儀の悪い行為とは言えません。周囲の方々に注意すべきか否かは慎重に判断なさってください。

 ④本誌のコラム上でも、おしぼりを広げる位置のマナー、手を拭く位置のマナーなど、おしぼりに関するマナーについてご紹介したこともあります。しかし、どのような状況においても、必ずおしぼりを要求して頂きたいということではありません。大変こだわりのある洋食レストランでは、おしぼりの用意が無い場合もあります。フォーマルな和食お店の場合は、大半がおしぼりの用意があるように思いますが、洋食のお席でおしぼりを当たり前のように要求することは、ご遠慮なさった方が無難である場合もあることを、少々気にかけておいて下さい。

 余談 和食の席においても、貴方様がレディファーストをして下さる場合も多くあることでしょう。先日も初めてお伺いした和食店にて、上座を、私にご準備下さったことがありました。男性は複数名、女性は私のみ。下座に座りたかったので、お約束の時間より随分早く到着することに致しました。次に、幹事役のお方がいらっしゃり、私のみが、床の間側に座る設定になっている説明を受けました。私は下座に座りたい旨をお伝え致しましたが、私の席が決まっていることを主張なさいます。

 何度も面識のあるお方でしたので、私は冗談交じりに、「ここの女将さんとは面識がないので分からないけれど、どうして女性が上座に座っているのよ。常識知らず!と言わんばかりの、意地悪な眼で見られたならば、耐えられないのよ」と、冗談交じりに伝えました。~どのような対応になったかは省略致します~流石、接待慣れなさっている貴方様のおかげで、私は微塵も嫌な思いをすることがない、完璧な対応を受けることができました。

 ここでは、詳しい席順のマナーのお話しは省きますが、多くの状況のマナーの知識があるからこそ、周囲の方々が気持ちよく過ごすことができるものなのですね。貴方様の全てのマナーを見越した、素敵な対応には恐れ入りました。

本誌:2020年2月17日号 27ページ

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