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- VISION OKAYAMA 2019年2月11日号
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連載記事小林裕彦弁護士の「ホンネの経営法務」
裁判のリスク
裁判に対するホンネ
今回は裁判についてお話ししたいと思います。皆さんは裁判を信用していますか?「あまり信用はしていないけど、誰かが決着をつけないといけないので仕方がないんじゃないの」と言われた方がおられました。ある意味当たっているかもしれません。
裁判は、事実認定、法の適用、結論といった手順で進みますが、しょせん人間が裁くものなので100%正しい筈がありません。これは自明の理ですね。
長澤運輸事件
例えば、長澤運輸事件の第一審(平成28年5月13日判決)です。これは、簡単に言うと、定年後に嘱託社員として再雇用された者について、定年の前後で職務内容などに変化がないのに、正社員のときの賃金が減額になったり手当が支給されないことが、同一労働同一賃金を定める労働契約法第20条に違反するかが争われた事案です。一審の東京地裁は職務内容等が同じであれば、本件の賃金等の相違について、正当と解すべき特段の事情がない限り不合理であるという一般論を述べ、特段の事情がないと判断して、労働契約法第20条違反と認めたのです。このような判断のされ方をしてしまうと、大部分の企業の再雇用が違法になりかねないので、当時は「長澤ショック」などと言われていました。
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