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連載記事河村まどか マナー講座

間違いだらけのお嬢様

 貴方様に限り、下記のようなことはないと願いたいものです。ほんのちょっと、どこかで聞きかじったマナーを元に行動していると、もっと恥ずかしいマナー違反になっていることがあります。貴方様の行動を例題にするのは、あまりにも失礼ですので、若いお嬢様の失敗談を元に、貴方様にもお考え頂きたいと思います。

 「紙袋にお土産を入れたまま、お相手にお土産を渡してはいけません」と、企業様のマナー講演会でお伝えしたことがあります。その後、紙袋に入れたまま渡さないことが、営業担当の皆さまの間でブームになったと報告と受けました。

 もしかして?紙袋に入れて持っていくものだと思っている?その行動が、最上級のマナーだと思っている?1回だけのマナー講演の内容が、社内で話題になり、他の人より知っている自信を持って下さるのは良いのですが、全てのマナーを知ったと思ってしまうと恥をかきます。マナー研修の場面ではなく、世間話の場面で、仕事上の意見をするのは良い行動ではないと思いつつ気にかかりましたので、「風呂敷を使用する方がより丁寧ですよ」と一言、出しゃばった言葉を添えておきました。

 その後、“風呂敷に包んだままお相手に渡すと、風呂敷代金がかさんで仕方ない”との報告のメールを頂き、驚きました。紙袋から出して渡すお話しをマナー講演会でさせて頂きましたので、安心しておりましたら、紙袋と風呂敷の扱いを別のようにお思いになったのでしょう。真面目になさっていらっしゃるのですから、笑ってはいけません。頑張ったはずが、お相手からすると、何とも無礼な行動とお思いになったかもしれません。もしくは、マナー知らずであることを微笑ましく思って下さった心の広いお方ならば救われます。

 ある時はこのような、お方からの報告も受けました。「商品の一部とみなされる紙袋については、紙袋のまま渡して良い」とのお話しをしたことがあったのですが、「お相手がもらって嬉しいと判断した紙袋の場合は、紙袋に入れた商品を風呂敷に入れて渡していた」とのお話しで驚きました。頂いたお方はさぞかし驚かれたことでしょう。

 ある、お嬢様が、大切なお式があったので、和装で出掛けたとのことで、お写真を見せて下さいました。お買い求めになる時の生地のお値段は高価であったとのことですが、お着物の種類としては、普段着として使用すべき種類でした。お値段ではなく種類によって使いわけなければ、お相手に失礼になる場合もあります。

 お着物だけでなく、お茶の種類、コーヒーカップの種類なども同様です。お値段が良いものであっても、お相手を格下扱いしていることになる種類は控えたいものです(この度は、その種類を販売なさっているお方もいらっしゃるので、詳しい内容は控えますが、礼儀作法の観点からはお気をつけ頂きたい内容が、盛りだくさんです)。

 ある時は、「お取引様へご挨拶に行く時に好感を持ってもらえる髪型は?」との質問を受けましたので、お顔を隠してしまうヘアスタイルは控えた方が良く、肌を見せることで、清潔な印象を与え、髪の部分で覆われているより肌の部分が多く見える方が、明るい印象にもなる。耳元も見せると引き締まったお顔の表情になりやすい。と伝えました。ご自身が素直にそのお話しを生かしたかったための質問だったのですね。その後、お会いした時に、しょっちゅう手で触っていたロングヘアがショートになっておりました(ショートカットが良いわけではなく、ロングヘアのお方は、きちんとまとめた髪型にするなどでの対応も可能です)。しかし、耳たぶに驚くほどの穴が開いており、尋ねましたら、「若気の至りです」とのお答えでした。私の言葉を参考に好感良くしてみたとのことでしたが、耳たぶの巨大な穴を見せているのは逆効果のように思えましたが、わたくしは指摘をする場面ではありませんので控えました。

 ある講演会に行った時に、お仕事に制服がなく、毎日の服装に困っているという女性が、「タートルネックを着用しているのは、マナー違反ですよね」と、話しかけてきて下さいました。確かに、男性が白いカッターシャツをお召になって出席すべき場面に、タートルネックは控えるべきです。しかし、タートルネックを選択しなかった女性は、あまりにも胸元の開いたお召し物をジャケットのインナーに着用なさっておりまして、せっかく、洋服のマナーを少しご存じなのに、品のない印象を与えてしまっていらっしゃるとは、残念な出来事ですが、初対面の女性に指摘をするわけにはいきませんので、タートルネックの質問が正解だったと、ご満悦になっておりました。

 このように、マナーをちょっとかじってしまって、全てが正解どころか、逆に恥ずかしいことになっていらっしゃることがあります。「これは、こうなんだよ!」と、大きなお声で発言なさって、実は大恥をかいていらっしゃいませんよう願っております。

 「人を指摘するのことは一番のマナー違反」と言われております。マナーレッスン中のお教室でない限り、お相手の間違いを指摘致しません。お立場ある貴方様も、微笑ましくご覧になっていることもおありのことと思います。私が望むのは、貴方さまが大恥をかく立場でないこと。それに限ります。

本誌:2019年1月28日号 19ページ

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