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連載記事岡山消費者動向分析

中国のキャッシュレス事情

 筆者は学生を連れて年に1、2回中国に研修旅行に行っている。北京の三井物産戦略研究所に訪問してお話を伺う機会があった。三井物産のオフィスは北京の高層ビルの貿易センターの一つにある。この一階にセブンイレブンが入っている。駐在員の方からのお話では、このコンビニで現金で買い物をするのは日本からの出張者だけで、現地人の決済は全てスマホの決済となっている。また、筆者のゼミ生が岡山市の交換留学生として洛陽に行って現地の大学で学んでいる。彼女が洛陽に行って一番困ったことはスマホ決済ができないことであった。

 中国のみならず韓国は数年前に政府の後押しで決済はほとんどカードになっている。日本は「安心・安全な国」として通貨である「円」への信頼が恐らく他国より数段高いのであろう。同時に、新しい時代にかなり乗り遅れているのではないかと心配もしている。政府も来年の消費税の10%への増税に合わせてキャッシュレス決済を促進させるために5%のポイント還元を検討している。本号では岡山の「決済事情」について詳述する。

 街中での決済で最もよく使うのは岡山も全国も「現金」が50%以上となっている。特徴的なのは「クレジットカード」の決済が全国が25%であるのに対して岡山では31.4%と全国より6%以上高い。「電子マネー」の利用も岡山12.9%と全国3%と4倍くらい高い。岡山の生活者は全国に比べて「現金」から一歩進んで「クレジットカード」や「電子マネー」を使う割合が多い先進地域と言える。

 街中の買い物で「クレジットカード」を利用しない理由は「ついつい使いすぎてしまうことが心配だから」が最も多く岡山47.9%、全国40.3%。次いで「セキュリティに不安があるから」岡山26.4%、全国20.9%と続く。岡山と全国の比較ではそれほど大きな差は見られない。

 次に「電子マネー」の利用の割合が全国と比べて高かった岡山だが、使わない方の理由のトップは「面倒だから」で岡山33.9%、全国34.4%。利用の仕方が分からない、セキュリティに不安、ついつい使いすぎるという理由が続くが、全国に比べて岡山の方が率は低く、全国に比べて岡山は新しい決済方法へ順応する準備はできているようにみられる。

 スマートフォンによる決済の割合は岡山、全国とも低く、その理由として「セキュリティに不安があるから」「面倒だから」があげられている。岡山の場合は「スマートフォンを持っていないこと」「利用の仕方が分からないこと」は全国と比べて5ポイント以上差があり、スマートフォンの普及率と利用方法への理解度にその差が出ている。

 今後どのような決済方法が増えそうなのか聞いてみた。買い物の決済手段としては「クレジットカード」「電子マネー」が増えそうである。これに対して「現金」は減る傾向にある。特に岡山では「電子マネー」の増加は40.8%(「とても増えそう」11.9%+「やや増えそう」28.9%)で「クレジットカード」の増加38.6%(「とても増えそう」10.8%+「やや増えそう」27.8%)よりも多くなるとの結果となった。「ハレカ」「スイカ」「イコカ」「ワオン」などの決済方法の普及が今後一層進むことが予測される。いずれにしても、消費税増税以降は大きな変化が決済方法で起きそうである。

本誌:2018年12月10日号 13ページ

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