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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

高濃度フッ素入りハミガキ

 昨年カナダとイタリアに旅行した際に現地で入手したチューブ入りのハミガキを記念に自宅まで持ち帰りました。ごくありふれた普通サイズのハミガキで、日本で使っているものと特に変わるところはありません。

 使い残しのハミガキなんか空港のセキュリティ・チェックでトラブルのもとになるだけなので現地においてきてもよかったのですが、貧乏性の私はまだ使えるものをポイと捨てることなどできません。イタリアにいっしょに行った友人などは旅のガイドブックや洗濯物なども帰国前に「はい、ご用済み」とばかり無慈悲に捨てます。バチ当たりです。

 さてカナダから持ち帰ったハミガキは滞在中泊めてもらった従姉妹が私のために用意してくれていたものでP&Gの「クレスト」。またイタリアで調達したものはホテル近くのスーパーで買った「コールゲート」ブランドの商品でした。

 最近になって、ともに愛用しているこれら外国製のハミガキにある共通点があることに気づきました。それはフッ素の含有量が日本の通常のハミガキより多いということです。日本では従来1000ppm未満のものしか認可されていませんでしたが、2017年3月から1500ppmまでのものが市販されるようになりました。スーパーやドラッグストアでよく見かけるのは1450ppmの商品で、“薬用”とか“高濃度”と表示してあり、6歳未満の子どもには使用させないこと、という注意書きもあり従来品との違いを強調しています。

 ところがカナダから持ち帰った「クレスト」に表示されたフッ素濃度0.243%をppmに換算すると2430ppmであり相当高濃度です。6歳以下の子どもが使用する際は豆粒ほどの量に限る、と警告していますが禁止はしていません。イタリアから持ち帰ったものは1450ppmで、この濃度は日本の新基準と共通しています。

 また、スウェーデンでは驚いたことに5000ppmの市販品まであるそうで、欧米諸国は高濃度のフッ素を恐れることなく虫歯予防に積極的に取り入れてきたことがうかがえます。フッ素添加の効果なのか、欧米人は甘いものをよく食べている割には虫歯の人が少ない気がします。私の子ども時代にこうしたハミガキがあったら、この年になって後から後からインプラント手術を受ける恐怖もなかったろうに、と残念至極です。

本誌:2018年9月10日号 12ページ

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