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連載記事マネーの道しるべ 16

法律はお互いの信頼関係における裏切り

  • 森康彰氏

 公用車の使用方法など舛添要一元東京都知事のあさましさが話題になっている。この人が岡山で知事に立候補していたら当選していただろうか。バツ2で2人の愛人との間にも認知している子供がいる人間を、岡山県民は知事として選ばないだろう。舛添氏の経歴については、知事選前からオープンになっていた話だし、その人間性を理解した上で、より政治家として優秀な点を見いだしたからこその投票ではなかったのか。当選後、くだらないことで政治の邪魔する東京都民も都民だと思うのだが。

 私の尊敬する立川談志師匠は「法律はお互いの信頼関係における裏切りである」と話していた。今回の舛添氏がいう「第三者」発言を聞きながら、師匠の言葉がふに落ちた。「第三者」の弁護士による調査報告では、ホテルの宿泊費や美術品購入などの支出は「不適切」と認定しながらも「違法性はない」と結論付けられた。そう。信頼関係は法律の上に立ってないのだ。

 さて、本題に入るのだが、実はこの原稿はニュージーランドのホテルで書いている。というのも、AIGグループの損害保険会社中規模代理店で増収額が全国1位になり、オーストラリアに5日間、ニュージーランドに4日間の旅行に連れてきてもらった。アジア地区の優積者が1000人ほど集まっているので移動だけでも大事だが、良い刺激をもらっている。参加者との雑談で「大手損保会社に訴訟の準備中なんです」って話をすると「その会社は、昔からそうですよ」と多くの人が答えるものだから、良く知らずに取引していた自分が馬鹿だったことに納得し、仕事でのパートナーを誤るということは、東京都民よりも愚かだったと反省した。ただ、話し合いを続けてきた中で、突然「顧問弁護士に確認したら法律的には問題ないんです」って回答するあたりは、舛添氏と同じく信頼関係なんかどうでもよいのだろう。面白いのは、AIGのアジア代表が「日本以外の国の皆さんも聞いてください。私たちは共存共栄で成長していきたい」と話していたことだ。東芝の不祥事をはじめ、日本のサラリーマン社長が自分の任期の間だけつじつまを合わせて逃げ切ろうとする風潮が多くみられる中、日本以外の国の人が信頼関係を大切にしている。信無きところに政治やビジネスは成り立たないと思う。

●森康彰● 2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2016年6.27号 16ページ

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