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連載記事マネーの道しるべ 13

企業はだれのためにあるのか

  • 森康彰氏

 先日、外資系の保険会社の支社長が転勤のあいさつに来てくれました。弊社が、外貨建ての保険を販売しないことはきちんと引き継がれていたのですが、「5分だけください」と言うので、「ドルコスト平均法って知ってる?」と確認をとった上で話を聞きました。その結果、「まったくなってない」という言葉がピッタリの話でした。なんと、ドルコスト平均法について全く触れないまま説明を終えたのです。小学生のころ、算数が苦手な同級生が文章問題を解くとき、出てきた数字を好きなように足したり引いたりしてとりあえず答えを書いていたことを思い出しました。正しい答えが出るわけがないってやつです。

 さて本題は、半沢直樹ほどドラマチックではない話です。最近の流行語を使うなら「ゲスな話」ってことになります。弊社では、新卒採用はしていないので、全員が中途採用です。4月から弊社で働く社員が相談があるというので聞いてみると「生命保険と損害保険の資格移管をしてもらえないのです」と悲しそうに言うので、良くある話だよと慰めました。それで、いつから有給に入るのかを聞くと「有給消化や買い上げが一切ないので3月末日まで働きます」とのこと。労働基準局に相談に行く選択肢もあるかと思いましたが、4月から一緒に頑張ろうよと励ますと「すいません。申し訳ないのですが、仕事の引き継ぎのために入社して3日間ほどお休みをもらいたいのです」って。ここまでくると、さすがにあきれました。HPで調べた企業理念は「人をつくり、人につくす」。お後がよろしいようで。


●森康彰● 2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2016年3.28号 11ページ

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