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ブランド調査4

 インターブランド社によるグローバルブランド調査について詳細を見てみたい。2015年度のグローバルランキングも近く発表されると思われるが最新の2014年度のランキングで見るとアップルが第1位であり、その価値は1188億6300万ドル(約14兆2600億円)となっている。直近のアップルの時価総額の約80兆円と比較すると約5分の1にしか評価されていない。ブランド価値は昨年度のものであり、今年も20%以上伸びていると仮定しても時価総額とはかなりかけ離れている。ビジネスの世界では絶対値は存在しない。加えて、実際に企業を買収する場合は時価総額の方がはるかに重要である。インターブランド社の調査も絶対値でみるのではなくある基準で評価してみるとこのような結果になったと理解すべきであり、5年とか10年のスパンの傾向値としてみれば重要な指標となる。

 10社のうちIT関係の企業が半数の5社になる。つまり、20世紀後半の新しい技術革新であるITを取り込んだ会社が大きく伸び、コカコーラやマクドナルドなどの旧来の産業はその地位を下げていることが見て取れる。GEは重工業などとメディアや金融部門を傘下に持つ複合企業である。残りの2社は20世紀初頭の最大の技術革新である自動車産業のトヨタとベンツである。

 日本企業ではトップ10にトヨタ1社が入っている。昨年度は新興国での売り上げ増とハイブリッドなどの環境対応車の売り上げ増で20%もブランド価値を向上させた。ブランド価値は約5兆1000億円である。これは直近の時価総額である約25兆円の20%程度となる。奇しくもこの比率はトップブランドのアップルとほぼ同じである。

 100社以内にランクインしている日本ブランドは、20位にホンダ、37位にキャノン、52位にソニー、56位に日産、64位にパナソニック、100位に任天堂、が入っている。100社の中の7社が日本ブランドということになる。世界のGDPランキングでは世界3位であるが、GDP全体に占める比率が6%程度であることを考えれば妥当であると言えなくもない。7社のうち3社が自動車産業であることも日本の特徴である。お家芸の弱電関係ではキャノン、ソニー、パナソニックの3社が入っている。また、ゲームという新しい産業分野の任天堂が100位以内に入っている。ソニーにもプレイステーションというゲームや映画会社、保険などの金融会社があるので、ソニーを弱電メーカーとして一括りにするのは問題があるのかもしれない。

 日本のブランドのトップ企業であるトヨタについて一言付言しておきたい。トヨタは自社の中に高級ブランドであるレクサスというブランドを展開している。これはベンツやBMWなどとの対抗のためのトヨタの戦略ブランドである。インターブランド社はこのレクサスをトヨタとは別の単独ブランドとして取り扱っている。日本市場でのブランドランキングは次回に詳述するが、レクサスは約4000億円の価値があるブランドとして扱われている。ブランドがモノではなく消費者の意識の中に存在しているイメージであることを考えればトヨタとレクサスが全く異なるブランドとして扱われていることに矛盾はない。

本誌:2015年9.7号 19ページ

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