WEB VISION OKAYAMA

連載記事

[知的財産] 商標の出願料や登録料

商標出願する際の出願料や登録料はどのように決められるのでしょうか。

A : 指定する商品等の「区分数」により決定

商標の出願料及び登録料は、出願願書に記載して指定した商品及び役務( 商品等) がどの程度の範囲かによります( 指定した商品等に基づき商標権の範囲が決められます)。

詳細には、商標を使用する商品等は、現在、第1 類~ 第45 類の4 5 個の類に分類されており( 特許庁「類似商品・役務審査基準」等をご参照下さい)、指定した商品等がその4 5 個の類のうち何個に属するかが「区分数」と呼ばれ、その区分数により出願料及び登録料が決定されます。

具体的には、( 出願料) = 3,400 円+ ( 区分数× 8,600円)であり、( 1 0 年分の登録料) = 区分数× 37,600 円です。
例えば、「菓子」は第3 0 類に属し、「バナナ」は第31 類に属しますので、「菓子、バナナ」を指定すれば第30 類と第3 1 類との2 個の類になり2 区分ということになります。一方、「茶, コーヒー, 氷, 菓子, しょうゆ, コーヒー豆, うどんの麺, 弁当, パスタソース, 米」は全て第3 0 類に属しますので、これだけ多くを指定しても第30 類のみの1 個の類になり1 区分ということになります。

このため後者の方が、前者の「菓子、バナナ」を指定する場合よりも出願料及び登録料とも低額です。以前、不使用取消審判制度において説明致しましたように、使用されない商標( 不使用商標) は、守るべき信用がなく商標権( 独占権) を与える価値がないどころか、それに商標権が付与されると他人の商標使用を邪魔する弊害がありますので、商標権を与えるべきではありません。この点からは商標権の拡がりを規定する商品等の指定は、本来、実際に商標を使用する商品等のみになされるべきですが、区分数が増加しなければ費用が増加しないため、使用しない商品等でも指定したくなります。使用しない商品等の指定がされた商標がもたらす弊害に鑑み、1 区分内での商品等の指定が広範な範囲に及んでいる際は、指定した商品等の全てに商標を使用するか疑義があるとして、指定した商品等について商標の使用実績や将来の使用意思の確認を商標出願の審査において求められます( 拒絶理由)。

従いまして、いくら1 区分内でも、使用する予定のない商品等を指定することは慎むべきです。

特許商標事務所
弁理士・所長
笠原 英俊氏
岡山市北区野田2-7-12
TEL086-245-0440

本誌:2012年5.21号 27ページ

PAGETOP