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連載記事

[健康] たばこについて

Q. たばこ値上がりを機に禁煙しようと思っていますが、なかなか踏ん切りがつきません。よく言われる肺がん以外にも健康への悪影響があれば教えてください。

心血管系にもダメージ

A. 喫煙が健康に与える影響として、肺がんや咽頭がんといった気道の悪性腫瘍や妊娠への影響は広く知られていますが、それだけではなく心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の主要な危険因子でもあります。我が国の死因は、心臓病や脳卒中が全体の27.3%を占めており、心臓病や脳卒中の予防の観点からも禁煙は重要な課題です。

 たばこには4,000以上の物質が含まれていますが、なかでも心臓や血管に作用する物質としてニコチンが挙げられます。ニコチンは、心臓や血管をつかさどっている交感神経の活動を促進させ、血圧を上昇させたり血管を収縮させます。喫煙による急性効果は、血圧を上昇させるだけでなく、動脈の硬さ(動脈硬化度)も上昇させることが報告されています。これらの急性変化は、喫煙後15~30分持続します。血圧や血管の硬さの上昇の程度は、たばこを吸わない人よりもたばこを吸う人で大きいことも分かっており、さらに高血圧の人は、正常の血圧の人よりも上昇の度合いが大きいことも分かっています。

 慢性的な喫煙による変化によっても、動脈の硬さは上昇することが報告されていますが、通常血圧を測定する上腕の血圧が明らかに上昇するという報告は示されていません。しかしながら、喫煙は心臓や血管の病気の危険因子であることから、上腕などの末梢の血管ではなく、心臓の周りなどの中心動脈に関与している可能性が考えられます。

 禁煙が、心臓病や脳卒中などの心臓や血管の病気のリスクを低下させることは多くの研究により報告されています。動脈の硬さも減少させることから、喫煙による血管の硬さの上昇には可逆性変化があるとされています。喫煙の期間と動脈の硬さの改善の程度は関係があると言われており、約10年の禁煙で動脈の硬さはたばこを吸わない人と同等のレベルまで低下します。

 たばこが1箱約400円になったので、毎日1箱吸うと1年で約15万円のたばこ代がかかります。また我が国の65歳以上を対象とした診療医療費のうち、30.7%は心臓病や脳卒中の治療に支払われています。これを機に、禁煙または節煙に努めて、身体に良いことをはじめてみませんか。

OSKメディカルフィットネスクラブ榊原
健康運動士
松本 希 氏
岡山市丸の内2-1-10
TEL.086-801-7345

本誌:2010年10.18号 29ページ

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