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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

インプラント治験入院、その後

 インプラントの人工歯根を埋め込むための手術を大学病院の口腔外科で受けてきました。私の場合、人工歯根を支えるだけの骨の厚みが不足していたので、人工骨で歯槽骨をかさ上げし、そこに人工歯根を埋入するというかなり大がかりな手術でした。

 所要時間はたっぷり2時間。麻酔を打ちその後は口を大きく開けたままにしておくのですが、助手を務めるシニア・レジデントの学生さんが金具で頬をずうっと引っ張り続けます。歯茎を切開する痛みは麻酔で消されているのに対し、頬に金具が当たる痛みは相当のもの。「頬が痛いのですが……」と申し出たら、先生は何と頬に麻酔をチュチュッと打たれるではありませんか!「こんな対処の仕方もありなの!?」

 歯科の診療台の周囲には手術を担当している教授のほかにインプラント科の教授、レジデントや学生さんが3、4人見学しています。ガリガリガリと歯茎の中の骨が削られる音を聞きながら、ふと困った感覚が、最初は遠雷のように、そして次の瞬間にはすぐそこまで迫ってきました。トイレです。

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本誌:2022年11月28日号 15ページ

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