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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

勇気づけのかかわり方「叱るな」とは

 このコラムをお読みいただいている皆様は、職場やチームの中でリーダーであったり責任者であったり、人を指導し育成するという立場にいる方も多いのではないでしょうか。また、近年では入社数年の若手社員が、新入社員のメンターを任されるといったことも増えてきているようです。「名選手、名監督にあらず」とも言われるように、自分ができることであっても、人にできるようにさせることには、困難が伴います。

 私のアドラー心理学の学びの尊敬する兄弟子でもある小倉広さんの著書「アドラー心理学に学ぶ部下育成の心理学」(日経BP社)の表紙には、「自ら動く部下」が欲しいなら褒めるな、叱るな、教えるな、と大きく書かれています。ではどうすれば?と大きく首を傾げるみなさんの姿が見えるようです。そうです、必要なのは勇気づけのかかわりなのです。褒めるな、教えるな、も大変気になるキーワードかと思いますが、今回は叱るなについてお伝えしていきたいと思います。

 大丈夫!私は叱ってはいない!と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、注意する、進言する、指摘する、アドバイスするといったことはなさっているのではないでしょうか。これらは表現方法は異なりますが、いわゆる「ダメ出し」と言われるものであることがほとんどです。厳密にはアドバイスはダメ出しではないのですが、「こっちのやり方でやったほうがいい」とお伝えしているのであれば、「今のやり方じゃダメだよ」という意図が含まれてしまい、ダメ出しにつながってしまいます。

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本誌:2022年10月10日号 20ページ

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