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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

コントロールが難しい「怒り」の感情

 あなたは感情と上手に付き合っていますか?身近な人との関係を良好にしていきたいと願うなら、とても大切なことです。とはいえ私も偉そうなことは言えません。心理学を学ぶ前の私は、いつも自分の正しさにこだわって目の前の現実にイライラして、その場の雰囲気を乱してしまっては、後で自己卑下して落ち込むという感情の乱高下といつも付き合っていました。

 あなたも、つい強く言い過ぎたり、態度に出てしまって後悔したりしたことは無いでしょうか。逆に言いたいことを飲み込んでしまって言えなかった、表現できなかったという後悔もあるかもしれません。また、取り組むべき仕事があるのに、落ち込んでしまって、なかなかやる気がわかなかった、という経験もお持ちかもしれません。

 感情は自分の意思では制御不能と思っている方がほとんどです。しかしアドラー心理学では「感情はコントロールできる」と言います。感情は特定の相手に対して、目的を持って使われる、というのが感情に対する定義なのです。例えばあなたが社内で部下を叱責していたところに、大事な取引先からの電話がかかってきたら、どんな声で電話に出そうですか。きっとイラついた感情を仕舞い込んで、感じの良い自分を表に取り出してきますよね。

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本誌:2021年5月17日号 23ページ

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