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連載記事岡山消費者動向分析

コロナ禍での生活の変化

 14世紀の「黒死病」つまり「ペスト菌による感染症」は欧州で猛威を振るった。当時の欧州の人口は7500万人くらいと推定されているが、「黒死病」により人口は5000万人に激減した。世界中での死者は2億人を超えると推定されている。

 「黒死病」というパンデミックによりもたらされた大きな変化の一つは「教会の権威」の失墜である。いくら神に祈りを捧げても「黒死病」から逃れることはできなかった。ルネッサンスの誕生は必ずしもこのパンデミックのせいではないかもしれないが、しかし、パンデミックが人々の思想に大きな影響を与えたことは間違いない。ルネッサンスの基本的テーマは「人への愛」である。パンデミックは少なくとも人々にとって「何が一番大切なのか」を抉り出したと言える。

 今回のCOVID-19も過去のエピデミックと同様に社会的に甚大な変化をもたらす。2008年のリーマンショックへの対応で、世界の主要経済の財政規律は嘗てないほど緩み、富の著しい「偏り」と「社会格差」を生み出した。同時に、SNSの進展で多くの人々は声高に「不平」「不満」を唱え、社会に蔓延する「不平等感」は増幅の一途を辿っている。COVID-19の終息後どのような社会が生まれてくるのであろうか。今回は新型コロナウイルス感染症拡大時の生活意識変化について、岡山と全国を比較した。

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本誌:2021年4月19日号 11ページ

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