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同族会社の少数株主対策~その1

Q 弊社は同族会社ですが、先代からの少数株主が多数います。今般の社長交代を機に少数株主の整理を考えていますが、どの様に取り組めば良いですか?

少数株主対策は重要です!

A Ⅰ.少数株主の権利:株主権には①単独株主権(1株で行使可能)と②少数株主権(一定割合以上の株式を有する株主が行使可能)があります。

①-1単独株主権(自益権)としては「剰余金配当請求権、残余財産分配請求権、反対株主の株式買取り請求権、株式価格決定の申立権」等。①-2単独株主権(共益権)としては「株主総会の議決権、株主総会の議題提案権、株主総会効力の訴え、計算書類等の閲覧・交付請求権、取締役等の違法行為差止請求権、役員解任の訴え、株主代表訴訟、会社組織に関する行為の無効訴え」等。②少数株主権として議決権1%以上で「株主の議題提案権、総会検査役選任請求」等、議決権3%で「会計帳簿閲覧・謄写請求権、業務財産検査役選任請求、株主総会招集権」等、議決権10%以上で「会社の解散の訴え」など。従って「少数株主」は事業の継続や承継について重要な問題となる可能性があります。

Ⅱ.「相続」と少数株主対策:今回は「相続」と少数株主対策についてご説明します。

1.「相続人等に対する株式売渡請求制度」の必要性:オーナ-株主は少数株主の相続人と合意による株式取得に努める必要があります。しかし実際には、オーナ-株主と相続人に人間関係が無い点、現状では株式譲渡を望まない等取得が困難な場合も多くあります。また相続は「一般承継」のため、「譲渡等承認請求」を利用した株式取得も認められません。そこで、必要な場合に会社が強制的に少数株式を取得できる対策として表記の制度が必要です。

2.適用要件:ⅰ)相続その他一般承継により取得した株式である、ⅱ)譲渡制限株式である、ⅲ)分配可能額の限度内である、ⅳ)「相続人等に対する売渡し請求」の定款の定めがあること等です。

3.手続きの流れ:ⅰ)売渡請求をする旨の株主総会特
別決議、ⅱ)相続等があったことを知った日から1年以内の売渡請求、ⅲ)売買価格の協議、ⅳ)会社または請求を受けた相続人等が売渡請求の日から20日以内に裁判所に対し売買価格決定の申立て、ⅴ)裁判所による売買価格決定の手続きの流れとなります。

税理士法人石井会計
統括代表社員
石井 栄一氏
岡山市北区今8-11-10
TEL.086-201-1211

本誌:2021年3月8日号 21ページ

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