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連載記事なんでもQ&A[知的財産]

町内会の特許出願

 Q 町内会で管理しているごみステーションに関し、大きなごみでも出し入れしやすく掃除が容易な構造を町内会メンバーで考え出しました。この構造について特許をとってはどうかと話が出ているのですが、町内会が特許をとることはできるのでしょうか。

 A 特許の世界では、「発明者」、「(特許)出願人」及び「特許権者」という、ややこしい3人が登場します。

 まず、「発明者」は、技術的アイディアである発明を実際に考え出した者ですので、自然人(いわゆる個人)でなければならず、法人や団体がなることは認められません。

 そして、「出願人」は、特許出願をする人(つまり特許権を欲しがっている人)であり、その特許出願が審査を通過して特許権が与えられれば、「出願人」が、その特許権を持つ「特許権者」になります。このように、「出願人」は最終的に「特許権者」になることから、権利を持つことができる自然人(個人)又は法人でなければなりません。なお、発明完成と同時に「特許を受ける権利」が「発明者」に発生し、この特許を受ける権利を有する者が「出願人」になることができますので、「発明者」と「出願人」とが一致することの他、「特許を受ける権利」を「発明者」から移転された人が「出願人」になることもできます。

 このように、ご相談例においては、今回のごみステーションの構造を考え出した貴町内会のメンバー(自然人)が「発明者」になることはできますが、貴町内会が「発明者」になることはできません。なお、貴町内会のメンバー(自然人)のうち、この構造を考え出した全員を「発明者」としてください。

 そして、上述の通り、「出願人」は自然人又は法人でなければいけませんから、貴町内会が法人格をお持ちであれば貴町内会を「出願人」として特許出願することができ(出願に先立ち、特許を受ける権利を発明者から貴町内会が譲受することを要します。)、最終的に貴町内会が「特許権者」になることができます。一方、貴町内会が法人格をお持ちでなければ、そうすることはできませんので、例えば、貴町内会の代表メンバー又は複数人を「出願人」として特許出願することが考えられます。この場合、得られる特許権がその代表メンバーの所有になったり、メンバー複数人の共有になることをご注意ください。

本誌:2021年3月8日号 21ページ

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