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連載記事なんでもQ&A[損害保険]

自転車保険に対する備え

 Q 2021年4月に岡山市で自転車条例が施行されます。万が一の際、保険でカバーできるものがありますか?

 A 2020年9月の定例岡山市議会で、「岡山市自転車の安全で適正な利用を促進するための条例」が公布されました。本条例は2021年4月1日より施行されます。本条例では、自転車を利用する人は、自転車で事故を起こした際の損害を賠償できるよう、損害賠償責任保険等への加入が義務付けられます。

 自転車が関わる事故について、昨今全国で高額賠償事例が相次いでいます。例えば、平成20年に神戸で発生した小学生の男児が自転車で歩行中の女性とぶつかり、女性の意識が戻らない状態となった事例では9520万円の賠償を命じる判決が出ています。日常生活でこのような自転車事故が発生した場合には「個人賠償責任保険」が有効です。自動車保険や火災保険の特約として付帯されている可能性が多く、日常生活に起因する偶然な事故等で、他人にけがをさせたり、他人の財物を壊して法律上の損害賠償責任を負う場合に、1事故について保険金額を限度に保険金をお支払いするものです。特約として付帯されていると主契約の自動車保険や火災保険を解約した場合等、いつの間にか補償が受けられなくなっているケースもあるため注意が必要です。示談交渉サービスの有無や補償対象となる家族の範囲や補償金額等、保険会社で内容が異なりますので、加入状況も含めてご確認頂くようにおすすめします。

 また、業務で自転車を利用する場合は、事業者を補償対象とした「施設賠償責任保険」に加入する必要があります。これは業務の遂行等に伴う賠償事故を補償する保険です。上述の「個人賠償責任保険」では、「事業活動中」の損害賠償事故は補償されませんので注意が必要です。

 そして従業員の皆様に自転車通勤を許可している場合は、自転車通勤者の保険の加入有無を確認することが重要となると同時に、従業員の皆様が条例を遵守するよう教育するという努力義務も求められます。自転車運転中に転倒してけがをした場合は「傷害保険」が有効です。本条例施行前に現在加入している保険の内容確認や見直しをおすすめします。

本誌:2020年12月7・14日号 26ページ

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