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連載記事河村まどか マナー講座

勘違いにご注意を

 貴方様からご依頼頂きました、女性従業員様のための“ご褒美”レッスンについてご報告申し上げます。

 女性従業員の皆さまに対して不満がありマナー研修を受講して頂くのではなく、貴方様のご厚意によりモチベーションアップの時間としての研修であることを、受講者の皆さまにお伝えし始まった毎月2回のレッスンです。

 女性社員の皆さまからすると、「私達のお客様への対応が気に入らないからだと思いました。だから入社して〇年も経っている私達にマナー研修をさせるなんて屈辱的なこと、と話していたんですよ」と教えて下さいました。「悪いところを指摘ばかりされて、自主退社を促されるのかなと思いました」と、涙目になる場面があったことも鮮明に覚えております。

 元を正すと、私が貴方様に強い言葉の数々を投げ掛けているからだと反省することも多々経験しております。貴方様へはいつも辛口でございますが、女性の皆さまとは穏やかなレッスン時間を過ごしておりますのでご安心下さい。

 この度は、貴方様がお立ち寄りにならない女性社員様との研修室でのやりとりを、女性の皆さまに人気の項目からお届け致します。

 マナーレッスンの仕上げには、“受講者の皆さまとモチベーションアップのために素敵な場所でお食事の実践を”と貴方様が許可して下さっておりますので、「女子会デート」をスローガンに、とっておきの御馳走を夢みて楽しく学んでおります。

 まずは、素敵な場所に相応しい私達であるために、外見づくりに力を入れております。外見と申しましてもここでの“外見”とは、“態度”のことです。

 美しい姿勢から始まり、凛とした歩き方、ご挨拶時の立ち居振る舞い、そして、椅子の座り方等は、マナーとしての決まり事と、美しさの追求を両立させながら実技重視の反復練習を行います。受講者の皆さまには、ご自身を高めるために行って頂くための言葉を多くかけておりますが、実際に直ぐにお役立て頂いているのは、貴方様の大切なお客様がお越しになった時に、ご案内をする時の立ち居振る舞い方や、お茶の出し方など、貴方様が良き練習相手になって下さっているのです。

 良き練習相手を例えるならば、「私達の練習のモルモット様はいらっしゃらないかしら?」と皆さまに想像して頂いているのです。今どき、女性にお茶出しを貴方様側から強要するわけにはいきませんが、私達に取りましては、楽しいひと時になるように、こっそりモチベーションを高めているのです。そうとは知らず、貴方様が私達の礼儀正しさに出くわし、思わず「いいねぇ」と、つぶやいて下さったとの情報も皆さまと共に、楽しく共有しておりますよ。

 貴方様が思わず「いいねぇ」とつぶやいて下さったその瞬間の動きも、私達に取りましては計算の上なのです。貴方様が「いいねぇ」とおっしゃったその瞬間の私達の動きに対して、貴方様以外のお方の言葉をお借りすると、「ありがとうございます」と、大抵のお方がおっしゃるタイミングなのです。しかしながら、女性社員の皆さまはおっしゃっておりました。何も褒めて下さらない貴方様が、一言つぶやいて下さったその一言には“驚いた”と。ここでの驚いたとの言葉は、“嬉しい”とおっしゃっている言葉のように私は感じました。何はともあれ、モチベーションの相乗効果をもたらして下った貴方様へ感謝申し上げます。

 ここで、貴方様へ種明かしです。貴方様のお席の前へ、お皿に乗ったコーヒーカップを置く時に、わざとほんの少しだけずれた状態で置きました。そして、いつものスピードより丁寧にゆっくりとお皿のずれを整えるのです。その時の指先の揃え方にも細心の注意を払っております。そして、貴方様のお顔(目)を見た直後に目礼をしております。

 コロナ禍でなければその時に「どうぞ」と言葉を添えますが、現時点では、優しい目線でご挨拶します。その時の中腰になっている姿勢も、エレガントに魅せるためのトレーニングを私達は怠っておりません。このような内容は、お相手に思いやりを持った対応をするためのエチケットとして行っております。貴方様にのみ行っているのではなく、男性女性、お子様大人に関らず、どなた様に対しても私達は敬意を表した対応をとっております。

 何事にも人一倍前向きなお気持ちでお仕事を成功なさってきた貴方様にご忠告申し上げます。貴方様だけに特別に好意を持っているわけではありません。皆さまに対して行っておりますので、貴方様に対して好意をもってくれたとの発言をご自身でなさるのは恥ずかしいですよ。

本誌:2020年11月16日号 33ページ

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