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連載記事賢い補助金の活用法

「コロナ特別対応」制度

  • 上吉隆一氏
  • 仕切られた施術室

 岡山県よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は、新型コロナウイルス感染症拡大で打撃を受けた中小企業・小規模事業者の事業再開を支援する、小規模事業者持続化補助金の「コロナ特別対応」制度の活用事例を紹介します。

 中小企業生産性革命推進事業の一部として実施している、「小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)」、「ものづくり・商業・サービス補助金(以下、ものづくり補助金)」、「サービス等生産性向上IT導入補助金」において、緊急事態宣言の解除を受けて本格化する事業再開を強力に後押しするため、中小・小規模事業者による業種別ガイドライン等に沿った取組に対して、支援内容が拡充された。

 拡充の詳細は次の2点。

 ①補助対象経費の1/6以上が次のいずれかの類型に該当すれば、コロナ特別対応型(以下、特別枠)で申請できる。持続化補助金の特別枠は、補助上限が50万円から100万円に引き上がる。さらに、類型B又はCの場合、補助率が2/3から3/4へ引き上がる。

 ・類型A サプライチェーンの毀損への対応

 ・類型B 非対面型ビジネスモデルへの転換

 ・類型C テレワーク環境の整備

 ②「持続化補助金(特別枠・通常枠)」「ものづくり補助金(特別枠)」の採択者に対し、ガイドライン等に沿った感染防止対策の投資を行った場合、新たに定額補助(補助率10/10)・補助上限50万円の別枠(事業再開枠)を上乗せする。

 小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)を活用した事例 わたしのハイフ。岡山店(岡山市北区野田屋町1-1-17第2セイワビル3F)

 テーマ:既存顧客の取り戻しと新規顧客の増加を行ってコロナからの再起を図りたい

 「わたしのハイフ。岡山店」はハイフ専門セルフエステのフランチャイズ店である。ハイフとは、美容マシンの技術名称の略名で、「高密度焦点式超音波法」を用いた小顔・リフトアップ等の効果が得られる話題のエステである。一般的なリフティングは医師が施術するが、「わたしのハイフ。」では自社開発のセルフ超音波施術のため、顧客が自ら行うことができることが最大の差別化ポイントだ。

 2020年3月後半から、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売り上げが激減した。そこで、感染防止対策のための店内改装を行って、遠のいた客足を取り戻し、再起を図りたいとの相談があった。店内改装となると、まとまった資金を使うことになるので、事業計画を策定して成功確率を高める必要があると判断し、計画内容を話し合うことにした。

 また、計画内容が地道な販路開拓等の取り組みに該当すれば、持続化補助金の申請ができるため、制度の説明を行って特別枠の活用を勧めた。

 「わたしのハイフ。岡山店」は、もともとセルフエステであったため、通常のエステサロンより接触機会は少なかったが、ウィズコロナ時代を見据えて、非対面・非接触をさらに強化すれば、顧客に安心感を与えることができ、売上拡大につながるとアドバイスした。そこで、非対面・非接触を徹底する取組みを具体的に話し合った。

 まず、店内の現状を確認すると、待合室や施術室は同じ空間に複数の客が入る状況であった。そこで、密集・密接を避けるために、待合室は2カ所に分け、施術室はカーテンで間仕切りをして個室化し、飛沫による感染予防に取り組むことにした。結果的にプライベート空間を実現。他の顧客から見られることがなくなるという副次的な効果もあった。

 また、機器の使用説明や注意事項はスタッフが対面で行っていたが、これを動画で案内することで、非対面式への転換を図る。同様に、キャッシュレス決済を導入することで、顧客とスタッフの接触機会を削減する。

 以上を計画の骨子とし、サブスクの導入や広告などの取組みを計画に盛り込んでまとめた。

 今回の特別枠には20年2月18日まで遡及適用があるため、採択前に取組みを実施していても補助対象経費と認められる。一刻も早い取組み実施で売り上げを回復したかったため、すぐに計画を実行したが、この制度も支援の後押しとなった。

 事業再開枠についても、20年5月14 日以降に発生し、使用したものに関する経費を遡って補助対象経費として認められる。第1回、第2回の公募回の採択者については、採択後の申請で別枠の上乗せ補助が受けられる。よって、特別枠で補助対象経費としていたものでも、事業再開枠の対象となるものがあれば、改めて補助率の高い事業再開枠で申請することで、自己負担を軽減することができる。この場合、特別枠ではその部分の経費につき、変更承認申請書を提出する必要があろう。

本誌:2020年8月24日号 11ページ

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