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連載記事岡山消費者動向分析

在宅勤務制度(テレワーク)

 筆者が社会人になってからかなりの年月が経つ。この間劇的な変化をもたらしたものは間違いなくインターネットである。確かにその前にテレックスやファックスはあったが、インターネットは情報の質・量ともに比ぶべきもない変化をもたらした。筆者が資生堂からユニリバーに転じたころである。ウインドウズ95の登場で世界中の人々の仕事の仕方は大きく変化を遂げた。自分のオフィスだけではなく、世界中どこでも、24時間365日仕事ができるようになった。加えて今の時代では大容量通信が可能となり、スマホでも動画が簡単にやりとりできるようになった。

 コロナ蔓延の防止で移動の自由が制限される中で、大学の講義もオンラインとなり、ビジネスの世界でも自宅から仕事をするテレワークが急速に普及して来た。通信システムも4Gから5Gへと変化し、恐らくZoomを超えるような通信ソフトも生まれてくると思う。テレワークはコロナ対策のように見えているが、実はICTの世界においては劇的変化が起きていて、コロナがそれを促進していると考えてよい。生産性の低さが指摘されて久しい日本において、生産性を飛躍的に変化させる可能性を秘めている。今回はテレワークについての岡山と全国の比較である。

 新型コロナウイルス感染症の影響により「在宅勤務制度(テレワーク)をはじめた」のは、岡山16.3%、全国18.5%。「在宅勤務制度(テレワーク)は利用していない/したことがない」、「勤務先に在宅勤務制度(テレワーク)はない」を併せた、「在宅勤務制度(テレワーク)の非実施割合」は岡山77.4%、全国69.4%。岡山のほうが在宅勤務(テレワーク)の実施率は約10%程度低い結果となっている。

 在宅勤務制度が実施できない理由について、岡山・全国ともに最も多かったのは、「在宅勤務制度(テレワーク)が行える業務ではない」が岡山72.7%、全国47.3%。全国と岡山との差は、機器の整備の有無よりも、そもそも業務自体がテレワークには対応していない状況であることがうかがえる。

 在宅勤務を行ってよかったこととして、岡山では「時間にゆとりができる」が62.5%でもっとも多く、全国は37.2%。全国では「通勤ラッシュ・満員電車を避けられる」が55.7%でもっとも多く、岡山では43.8%で2番目であった。岡山では通勤時の混雑よりも、全体的に時間にゆとりが生じたことをメリットと感じている。

 在宅勤務の実施によって増えた時間は、岡山では「睡眠・休憩の時間」(42.6%)がもっとも多く、全国では「家で食事をする時間」(53.4%)がトップとなっている。岡山でも全国でも「休息や家族との時間、家事の時間」が増えている。全国と20㌽差以上が開いた項目は、「インターネットで買物をする時間」(岡山8.2%、全国28.3%)、「間接的に人と会話する時間(電話やビデオ通話など)」(岡山6.6%、全国32.6%)の2つであった。 ネットショッピングやオンラインビデオ通話などの利用は、全国に比べると岡山はまだ低い。

 在宅勤務の継続意向について、「続けたい」が岡山46.9%、全国27.4%と19.5㌽差がついた。岡山では「やや続けたい」(20.3%)を合わせると、テレワークを続けたい人は67.2%になる。

 東京一極集中を避ける意味でも、在宅勤務制度が普及し、どこに住んでいても仕事ができるようになって欲しい。岡山はその受け皿の中核都市となり、テレワークの先進モデル都市になって欲しい。

本誌:2020年7月20日号 11ページ

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