WEB VISION OKAYAMA

連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

人の気持ちを動かすということ

 先日、「Fukushima50」という映画を観に行きました。この映画について書かれたフェイスブックの書き込みを目にしたのが3月10日の夜。そうか、あしたか…あしたで9年なんだ。あした観に行こう!と決めたのでした。

 一人で映画を観に行くなんて久しぶりのこと。ネットでの購入がうまくいかなくて映画館の入り口のモニターで購入しようとしました。するとほとんどの席が売り切れです。あの日を忘れないように、この日に映画館を訪れた人たちが多かったのか、と思ったら、それは勘違いでした。実際の映画館はほとんどが空席状態。コロナウィルスの影響もあり、あえて空席が多くなるようにほとんどのチケットが発売されていない、というのが現状だったようです。

 暴走する原子炉に命懸けて向き合った人たちがスクリーンに描かれていました。家族を思い地域を思いこの国を思って戦ってくれた、名もなきヒーローたちがスクリーンに描かれていました。 もし、あの時この方達がいなかったら、もしこの方達が、本気で向き合うことを諦めていたなら、東京を含む東日本は見えない灰に覆われていたかもしれない。その当時の私からは見えなかった事実に基づいた物語が映し出されていました。

 今、世界中が非常事態を宣言しています。明日この国が、明日世界がどうなるか見えない。誰もが不安に覆われていると思います。自分とは違う価値観で行動する人を批判したくなるかもしれません、どうやら不安と同時に、批判にも覆われているようです。

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本誌:2020年4月13日 17ページ

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