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連載記事岡山消費者動向分析

あおり運転

 1905年のニューヨーク、マンハッタンの写真には「馬車」と「馬」しかいない。同じ場所の1925年の写真からは「馬車」と「馬」は消え、「車」しかない。1908年にT型フォードが発売され、ジェネラルモーターズが設立された。自動車という画期的イノベーションによりこの頃から社会は急速に自動車社会へと変革を遂げた。

 自動車社会の進展とともにイノベーションの陰とも言える自動車事故による死者数は、恰も戦争の拡大による戦死者のように増大した。警察庁のまとめによると統計を取り始めた1948年には死者数は3,790人だったものが、1970年のピーク時には16,765人に上った。最近20年間は毎年減少し、2019年には3,848人と統計を取り始めて最少記録を更新した。今後AIを活用した自動運転車が普及すれば自動車による死亡事故はゼロになることも夢ではない。

 近年その交通事故を減少させる方向に掉さす動きがある。「あおり運転」である。どんなに優れた安全装置を持った自動車でもそれを悪用する人が出てくると事故は防ぎようがない。今回は「あおり運転」についての岡山と全国の比較である。

 以下の分析は岡山、全国とも週1回以上運転するドライバーに関する調査結果である。「あおり運転」に対しての道路交通法の改正についての認知度は岡山87.7%、全国75.5%で、岡山のほうが12.2ポイント高い結果となった。

 また、「あおり運転」を受けた経験は岡山56.1%、全国59.8%で、ドライバーの6割弱が経験者である。岡山の方が全国と比べると若干「あおり運転」の経験者は少ない。「あおり運転」に関する昨今の報道を受けて、岡山の79%、全国の77.3%の人が、「あおり運転」の危険性を意識して運転するようになっている。

 どのような「あおり運転」を経験したかについて聞くと、「あなたの自動車に激しく接近し、もっと速く走るように挑発してきた」が最も多く、岡山79.8%、全国74%であった。

 「あおり運転」を受けたきっかけで最も多かったのは、「制限速度で走っていたから」で、岡山43.3%、全国19.2%。岡山は全国と比べて24.1ポイントも高い結果となっている。

 実際に「あおり運転」を受けた際に、「冷静に対処できると思う」人は岡山は37.1%、全国は59.7%と大きく差がついた。岡山のドライバーには、冷静な対応が求められる。

 「あおり運転」を受けた際に取った行動は「道を譲った」が岡山54.4%、全国43.3%。次いで意外にも、「特に何もしなかった」は岡山32.6%、全国でも40%。「他の道に逃げた」は岡山20.2%、全国13.3%となっている。危険を回避するためには、何らかの行動を取るべきである。

 岡山と全国で大きく異なったのが「あおり運転をされないように工夫している」ことについての意識の差である。岡山では24%に対して、全国では81.2%が「あおり運転」をされないように「工夫をしている」という結果であった。岡山の市民は、全国と比較して、防衛運転に対する意識づけが必要である。中国の古代兵法の一つ「三十六計逃げるに如かず」は「あおり運転」については極めて有効である。

本誌:2020年2月17日号 21ページ

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