WEB VISION OKAYAMA

インタビュー・対談岡山県産業労働部長 小林健二氏

市町村と連携産業用地確保 企業の「稼ぐ力」向上にも力

  • 小林健二氏 

 4月1日付で岡山県産業労働部長に前環境文化部次長の小林健二氏が就任した。2005年から12年間産業労働部に在籍し2年ぶりの古巣だ。産業振興は県の総合計画で教育と並ぶ重点政策。企業立地などで成果が出ている一方で、復興支援など新たな課題も浮上している。小林部長に今後の取り組みを聞いた。


就任の抱負は。

 県の総合計画「新晴れの国おかやま生き活きプラン」で産業振興は重点戦略と位置付けられており、身の引き締まる思いだ。産業労働部にかつて12年間在籍したが、経済情勢が違い過ぎ当時の支援などのやり方は生かせないかもしれないが、その時に出会った多くの経営者のとの人脈は大きな財産でこれを生かしていきたい。

今年度の産業労働行政の基本方針は。

 これまで企業誘致、観光振興などに積極的に取り組み成果も出ている。今年度はそれらの路線をさらに加速させるとともに、生産性、製品・サービスの付加価値向上など企業の稼ぐ力の向上に力を入れる。雇用面などで大手企業の誘致、再投資を促すことに加え、地元中小企業の育成が産業振興に欠かせない。また、人手不足の中で若者の県内への還流、定着への支援にも力を入れる。政策の範囲は多岐にわたりスピード感を持って進めたい。

企業誘致は順調だ。

 交通の要衝で地震が少なく気候も温暖という利点と各種の優遇措置を訴えてきた。昨年度は27件の立地が決まり雇用創出数は598人。投資予定総額は1087億円で統計のある1999年度以降過去最高となった。県内への立地の引き合いは多く、用地の確保が課題だ。特に要望の強い県南内陸部の受け皿として、県では岡山市と共同で空港南産業団地(分譲10ha、3区画)を造成し現在入居企業を選定している。それでもまだまだ不足しており、市町村と連携し用地を確保していきたい。

地元経済にとって水島工業地帯のウエートは高い。

水島工業地帯は、県がコンビナート企業、関係機関とともに国に働き掛け11年12月に地域活性化総合特区の指定を受けた。各種の規制が緩和され立地企業が操業しやすくなった。県が独自の補助金制度も設け先端産業の誘致や既存の大手企業の再投資を実現してきた。グローバル競争の中で水島の国際競争力を高めるため、これらを武器にさらに産業集積を促していきたい。

地元中小企業をどう育成する。

 今秋をめどに岡山大学内に「企業と大学との共同研究センター(仮称)」を設置する。企業が大学の持つ“知”を活用し自社の技術力を高めていくのが狙いで、地元の中小企業を育成し中堅企業の層を厚くしたい。IoT、AIなど次世代産業をはじめ幅広い分野で、できるだけ間口を広げ両者の交流を増やしていければと考える。岡山大学、県立大学に企業の人材育成のための講座も開設する。

西日本豪雨で多くの事業者が被災した。

 国のグループ補助金の受付窓口になり金融、雇用面での相談、専門家派遣などで事業再開、継続を支援してきたが、今後も復興に向け全力で取り組む。現時点でのグループ補助金の交付決定件数は210件、決定金額は44億1100万円。商工会などとも連携し、事業者に補助金がスムーズに届くよう支援していきたい。

観光キャンペーンも目白押しだ。

 強みであるフルーツをテーマにした観光キャンペーン2019「おかやま果物時間」を昨年に引き続き7月から5カ月展開する。また、3年に1回実施する瀬戸内国際芸術祭、岡山芸術交流、県が10月から約3カ月アートイベント「美作三湯芸術温度」と連携することで、県南から県北まで足を伸ばしてもらい滞在時間の延長、観光消費額の増額につなげたい。

●プロフィル
こばやし・けんじ。 岡山市出身。1984年大阪大学経済学部を卒業し県庁入り。産業振興課長、産業企画課長、環境文化部次長など歴任。趣味はサッカー。岡山市内の自宅で妻、1男2女の5人暮らし。58歳。

本誌:2019年6月17日号 17ページ
関連リンク:岡山県庁

PAGETOP