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お花見事情

 「さまざまの こと思ひだす 桜かな」 松尾芭蕉

 受験の季節であり、学生たちには健康に気を付けて頑張って欲しい。多くの学生には「桜咲く」のメッセージが届いたことであろう。今回は花見についての岡山の事情を探ってみたい。冒頭の句は芭蕉45歳の時の句である。芭蕉自身が若き時に仕えた藤堂家の若き君主である良忠は25歳の若さで夭折した。芭蕉はその後京都に出て苦学し、江戸で俳諧宗匠として認められることになった。故郷上野に主君夭折後22年経って帰郷した時に詠んだ句と言われている。筆者は子供のころ腎臓病を春先に病んだ経験からか花見と言えばこの芭蕉のこの句が真っ先に思い起こされる。

 2月の時点でお花見の予定をしているのは、岡山で約3分の1(31.3%)、全国では36.8%。この時期に未定の人は岡山で43.7%、全国の36.6%と比べると、岡山のお花見の予定は若干のんびりしていることがうかがえる。東京は人が多いので、事前に計画し場所取りをしなければお花見もできないのであろう。また、お花見をする場所は、「居住地付近」が最も多く、岡山、全国ともほぼ同じ約75%。「日帰りでいける場所」へのお花見は、岡山は54.8%と、全国に比べて約15ポイント高く、岡山では日帰りでいける近場でのお花見スポットまで足を伸ばす積極性がうかがえる。岡山では車さえあれば少し遠出できるところが多いということだろう。一緒にお花見をする人は「家族」がもっとも多く、岡山78%、全国71.7%です。次いで「友達」、「勤め先の同僚・先輩・上司」「恋人」が上げられます。お花見は「家族」と過ごす人が圧倒的に多い。

 お花見にかける予算は、「1000円以上2000円未満」がもっとも多く岡山では34.9%、全国では28.8%。もう1ランク予算が高い「2000円以上3000円未満」は全国で28.5%、岡山では15.6%。全国のほうが岡山と比べるとお花見にかける予算は高い傾向にある。ここでも岡山県人は非常に堅実なライフスタイルを維持していることが分かる。

 お花見でよく飲む飲み物は岡山では「ソフトドリンク」(49.2%)、全国では「ビール(発泡酒も含む)」(47.3%)がトップ。やはりお花見に行くのに自分の車を運転して行かなければならない岡山ではアルコールが飲まれるケースが少ない。

 お花見での食べ物でもっとも多いのは、「弁当」で、岡山は75.1%と全国の33.1%と比べて2倍以上の人気がある。全国では「弁当」、「おつまみ」、「揚げ物」、「おにぎり」、「焼きそば・たこ焼きなどの屋台メニュー」など幅広く分散するが、岡山では“「お弁当」でのお花見”が定番のスタイルのようである。お花見の飲食物の調達方法は、「百貨店・スーパー・コンビニ・ファストフード店等で当日買出し」が岡山(72.7%)、全国(60.5%)ともにもっとも多い。「お花見会場の露店で購入」もそれぞれ岡山27.8%、全国28.2%で、手軽な調達を好む傾向が感じられる。一方、「自分で手作り」してお花見を楽しむ方も、岡山(35.9%)、全国(35%)で約3割強いる。池田光政の命により質素倹約が徹底されたが、表面的には質素に見える「祭りずし」の伝統は恐らく少しは岡山に残っていそうである。

本誌:2018年3.19号 25ページ

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