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ジャーナル就実大学経営学部グローカル・フォーラム

美術・音楽・建築による文化都市づくり

  • 岡崎ゆみ氏(左)と迫慶一郎氏

 就実大学経営学部グローカル・フォーラム「美術・音楽・建築による文化都市づくり」がこのほど、岡山市中区西川原1-6-1の同大学で開かれた。講師を務めた、岡山県名誉県民の故岡崎嘉平太氏の孫でピアニストの岡崎ゆみ氏と、世界で活躍する日本人起業家ネットワーク(一社)WAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs、旧和僑会)代表理事で建築家の迫慶一郎氏に話を聞いた。

子どもに文化・芸術体験を
忘れられない祖父の教え
ピアニスト 岡崎ゆみ氏

 リサイタルやイベントでの演奏に加え講演活動にも力を入れる岡崎ゆみ氏。多発する凶悪犯罪などを例に「『美術館で絵を観賞しよう』『いい音楽を聴こう』という発想、素養があれば事件を起こすような大人にはならないはず」と幼児期の文化・芸術体験の重要性を説く。

 特に「高度に完成された音楽構成」というクラシック音楽に11歳までに触れる機会を持つよう勧めており、ピアノを習う子どもたちには「楽器が弾けると人生が豊かになる。うまく弾けなくても我慢して練習すれば、必ず1つ上のレベルの曲が弾けるようになる」とアドバイスする。

 日中国交正常化に尽力した故岡崎嘉平太氏=元全日本空輸㈱社長=の長男の娘。父親の仕事の関係で子どものころ香港に住んでおり、中国へ向かう嘉平太氏もよく立ち寄ったそうだ。一番の思い出は食べ物を粗末にしないよう厳しくしつけられたこと。「2人きりの時好きな食べ物を聞くと“美食はごう慢と堕落だ”と言われた。当時は意味が分からなかったが、私も美食には興味がなく、食べ物を残すのは今もすごく罪悪感がある」と笑顔を見せる。

 おかざき・ゆみ。 東京芸術大学卒業、同大学院修了。1983年にハンガリー給費留学試験に最優秀で合格し、ハンガリー国立リスト音楽院に留学。2017年秋には祖父の古里で開催された「吉備中央音楽祭」にも出演した。東京都出身。


海外の日本人起業家つなぐ
中国からの“気付き”生かす
建築家 迫慶一郎氏

 一般社団法人WAOJE代表理事を務める建築家の迫慶一郎氏。慣れ親しんだ「和僑会」からの名称変更は、「ガバナンスとブランディングが目的」とし、「海外の日本人起業家をつなぎ世界規模のネットワークを構築し、ビジネスインフラになりたい」と話す。

 大手建築事務所勤務時代に北京でのプロジェクトに携わったのが海外ビジネスのきっかけ。続いて地方の公共建築のランドマーク制作の依頼を受けるなど大きな仕事が立て続けに舞い込み、北京に設計事務所を開設。支払期日が守られないなど洗礼も受けたが、現地の同業者に「外国人だからはるかに優遇されている」と言われ、「チャンスをものにするための付き物と分かり吹っ切れた」と数々のプロジェクトを手掛ける。

 日中に軸足を置くからこその“気付き”も多く、日本流のセクショナリズムや前例主義へのこだわりには疑問を呈す。建築家として日本のまちづくりで実現したいことは多く、「世界中の誰もを魅了する財産」という瀬戸内海のリゾート開発もその1つ。学生時代ヨット部で活躍し「世界一難しいヨットレースを瀬戸内で開催する」夢を描く。

 さこ・けいいちろう。 東京工業大学卒業、同大学院修了。山本理顕設計工場を経て2004年にSAKO建築設計工社設立。WAOJE代表理事として海外で活躍する日本人起業家のビジネスインフラとなるべく奮闘中。福岡県出身。47歳。

本誌:2018年3.19号 27ページ

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