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代表質問早島町長 中川真寿男氏

地の利生かし物流拠点に成長 「質の高い暮らし」全世代へ

  • 物流施設の集積が進む(岡山県総合流通センター)

 中四国各地への良好なアクセスを生かし、物流施設などの産業立地が進んでいる早島町。町職員を経て、2015年9月に就任し、4年の任期が折り返し地点を過ぎた中川真寿男町長に、これまでの取り組みと今後の抱負を聞いた。

―就任以来力を入れたことは。
人口減少時代に入り、若い世代に早島町を生活の場として選んでもらうためには、豊かな住環境が不可欠だ。町職員時代に福祉課長、教育課長を務めた経験から、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代が安心して暮らせる「質の高い暮らし」作りに注力してきた。
特に、共働き世帯が子育てを心配せず働きに出られるよう「待機児童ゼロ」に取り組んでいる。16年に人口の多い団地内に町内3園目となる保育園を開園した。ただ、ハコは整備したものの、保育士不足のため、希望者全員を入園させることができない状況が続いている。待遇改善で保育士を確保し、早期に待機児童ゼロを実現したい。
 教育面では、教員の負担軽減に取り組んでいる。今年から町立中学校のクラブ活動に、一般から支援員を募集し、教員と一緒に指導に当たってもらう。支援員は目下選考中で、今年中に配属予定だ。教員の負担を大幅に軽減し、本来の仕事に注力できる体制を作りたい。
―人口が微増傾向だ。
 岡山、倉敷両市への通勤のしやすさから、ベッドタウンとして人口が増えている。国道2号バイパスが町内を横断しており、道路アクセスの良さはよく知られているが、鉄道利用も伸びている。町の周知活動が実り、長年2000人程度で推移していたJR早島駅の利用者が16年度は2300人を超えた。さらに利用を促進し3000人程度にまで伸ばしたい。課題は駅のバリアフリー化だが、約10億円の費用がかかるため、自治体だけでは改修が難しいのが現状だ。
道路については、人口増に伴い渋滞が増えたのも事実。町北部から倉敷マスカットスタジアム方面に抜ける都市計画道路「早島大砂線」の拡幅工事が進み、18年度中には完成する予定で、町内の混雑が緩和されると期待している。
―県内一の人口密度だ。開発余地がなくなっているのでは。
人口増により、宅地化が一気に進んだため、これ以上の開発が難しくなっている。市街化調整区域の緩和を県南部のほかの自治体と共に県に陳情している。
今後は、立地適正化を進め、新しい町のグランドデザインを描きたい。具体的には、運動場所としてはもちろん、災害時の避難施設としても体育館の整備が必要と考えている。
―交通インフラに恵まれている。
1970年の国道2号バイパスの開通以前は、のどかな農村地帯で決して便利とは言えない町だった。それが、88年の山陽自動車道、瀬戸中央道早島ICの開設により、中四国各地へアクセスが良好な流通拠点として注目が高まった。町としても、物流施設の誘致が町の活性化に不可欠ととらえ、進出企業に税制優遇措置を設けるなど、積極的に売り込みを図ってきた。今では、東京で企業や省庁の人に会うと「早島は良い場所ですね」と高い頻度で言われるほど、立地の良さが伝わっている。中四国、陰陽連絡の要としての優位性から「早島」を指名で土地を探す企業もある。
―町内の物流施設が盛況だ。
岡山市と早島町にまたがる「岡山県総合流通センター」内には、日本通運㈱やグンゼ㈱など、大手企業の進出が続き、現在38社が立地している。
 また、両備ホールディングス㈱が開発した「コレクティブタウン・瀬戸中央流通センター」には、コカ・コーラウエスト㈱、大和ハウス工業㈱などが入居。なかでも、大和ハウスの施設は複数の企業が入居するマルチテナント型物流施設で、注目度は高く、開業時から満室稼働だ。
物流施設だけでなく、㈱ハローズは2010年に本部を町内に移転するなど、本社機能を持つ企業もある。
 立地企業が順調に増え、税収も増加傾向。自主財源比率は50%を超え、財政は安定している。企業の進出は、雇用の創出にもなる。特に物流施設はパート従業員を多く雇用するため、子育て世代の母親が、都合の良い時間だけパートで働く場も多い。職住、そして教育と、岡山市、倉敷市とはまた違うゆったりと暮らせ、質の高い生活が送れる町として、今後も町の魅力向上に全力を挙げたい。

なかがわ・ますお 早島町出身。1978年早稲田大学政経学部を卒業し、早島町役場入り。学校教育課長、福祉課長を歴任し、2015年9月町長に就任。町内の自宅で母、妻、娘と4人暮らし。座右の銘は上杉謙信の「天地人」。63歳。

本誌:2017年12.11・18合併号 10ページ

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