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連載記事イマドキ大学生が社長に聞きたいコト!

鷹取醤油 素直な心忘れず見聞広める

  • (左から)片岡優季さん、伊丹裕子さん、野山貴弘さん、猪原大暉さん

 今号から週刊Vision岡山、岡山大学ベンチャー研究会、就実大学SMEラボの共同連載企画「イマドキ大学生が社長に聞きたいコト!」がスタートしました。学生が地元企業の社長に突撃インタビューし、経営にかける思いや理念、社員採用についての考え方など、学生が感じた経営者の“素顔”をつまびらかにしていきます。第1回は就実大学経営学部3年生の4人が、鷹取醤油㈱(備前市)の鷹取宏尚社長にインタビューしました。

 日本の食文化には昔から醤油がつきものだった。しかし、様々な調味料が販売されるようになった現代では、醤油の生産量は1990年代から減少傾向にあり、2015年にはピーク時の6割程度にまで落ち込んでいる。また、醤油の業界シェアを見ると大手がシェア50%以上、中堅会社を含めると約75%以上を占めている。そのため操業危機に陥っている地方の老舗醤油メーカーは多く、鷹取醤油も例外ではなかった。

 信用金庫の営業マンをしていて成績もそれなりに良く、3代続く醤油屋を継ぐ気は全くなかったという鷹取宏尚社長。しかし、営業マンとして醤油屋を訪問すると「お前みたいなのがいるから醤油屋が潰れるんだ!」と言われ衝撃を受けた。また父親の病気で配達を手伝った時、得意先で「よぉ継いでくれたなぁ」と言われ、父親の醤油が皆から必要とされていることを目の当たりにし、父親の代で畳む予定だった醤油屋の4代目社長を継ぐことを決意した。

 継いだ当初は商品が4種類しかなく、それでは地域性がなく差異化は難しいと気付き、醤油をベースに新たな商品開発をスタート。何回も試行錯誤を重ね、現在はドレッシングや醤油ソフトクリームなど300種類以上の商品を店頭に並べている。その結果、家族経営だった会社を22人の従業員を抱える企業にまで成長させることに成功し、現在は「まだ見ぬ恋人大作戦」と名付けた商品開発を行っている。

 取材をする中で鷹取社長は何度も「良い関係」という言葉をおっしゃった。良い関係があると良い思考がうまれ、良い思考があると良い行動ができ、良い結果につながる。結果からスタートすると目指すべき方向が変わってしまうため企業の発展につながらない。お客様はもちろん、社員やその家族との関係も大切にしているという。

 関係を築く上で大切にしている習慣が毎月1回の「社長のまかない」だ。社員の昼食がコンビニ弁当やインスタントラーメンなど栄養が偏っているのを見た鷹取社長は、自ら野菜中心の旬なものを使ったまかないを作り始めた。現在は噂を聞きつけ、社員だけでなく多くの人が集まるようになり、毎回40人程に「社長のまかない」を振る舞っているそうだ。

 学生のコメント「アットホームでとても話しやすい雰囲気の鷹取社長。地域の人に必要とされていることを理解した上で会社を継承したからこそ、厳しい業界にありながら発展しているのだと感じた。取材の中では「学生のうちに色んな所を見て見聞を広めてほしい」と言われたのが印象に残った。また、採用に当たり重視するのは、良い人間関係を構築する上で大切な「素直さ」ということだった。私たちも素直な心を忘れず広く見聞を広めたい」。

本誌:2017年11.13号 7ページ

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