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真夏の上海

 7月初め、上海に行ってきました。十数年前から毎年2、3回は出掛けているのですが、真夏の上海は今回が初めてでした。滞在中連日35度を超え、通りを少し歩くともう汗が噴き出してきます。温帯モンスーンという日本と同じ気候帯に属していることが実感されます。

 上海は、というか中国全体でしょうが、都市の様子や住民のライフスタイルが行くたびに変化していて、変貌のテンポの早さには驚かされます。いくつか気づいたことを思い出すままに列挙してみようと思います。

 ・コンビニのレジ

 日本のコンビニでは現金払いが今でも主流ですが、上海ではほぼすべての若い買い物客はスマホの画面上のQRコードを提示してキャッシュレス決済をしていました。コンビニの主力商品である食品を触った手で汚い紙幣を受け取り、釣り銭を返すのは不潔なうえに時間のロスもばかになりません。

 また中国の最高額紙幣は百元ですが、この2000円足らずの紙幣に偽札が多く百元札を出すと露骨に嫌がられます。そのようないろんな不都合を一挙に解消するQRコードは日本のデンソーが発明した2次元コードだそうですが、中国のコンビニで大活躍していたとは驚きでした。

 ・清潔になっていく都市

 かつて中国と言えば仕切りもろくにないニーハオ・トイレが有名でしたが、上海のような大都会ではすでに絶滅したようです。またパリやニューヨークの地下鉄駅にはたぶん現在でも公衆トイレはないと思いますが、上海の地下鉄駅にはちゃんとあります。使う気はないのですが、いざというとき心強い存在です。

 また、食を扱う分野でも清潔に対する意識が徹底してきています。ジューススタンドやファーストフード店の従業員は食品を触るときビニール手袋を着用しています。手袋着用は今日では世界標準で、日本の寿司屋は例外ということでしょう。

 しかし中国でまったく変わらないものもあります。「ご利用ありがとうございました」、「お買い上げありがとうございました」、「またのご利用/ご来店をお待ちしています」……こうしたお礼の言葉は高級ホテルテルでも商店でもただの一度も聞いたことがありません。これらは決して中国語には翻訳できない日本語特有の謎の言葉なのです。きっと。

本誌:2017年7.24号 16ページ

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