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ふるさと納税

 ひとそれぞれに「ふるさと」はある。石川啄木は「ふるさとの山に向かひて言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」と歌う。彼にとってふるさとの山は岩手山である。岡山の県北に育った筆者にとってそれは泉山と桝形山である。立命館時代の同僚にT先生がいた。彼は騎兵隊を作った先祖を持つ。東京が彼のふるさとであるが、京都で学んだ。一回生の夏休み「東京に帰る」と京都育ちの学友に言ったら、「田舎にかえるんやぁ!」と言われたといっていた。京都育ちの人にとっては東京も田舎なのである。

 平成28年度のふるさと納税は前年の1.7倍の2800億円になったと報道されている。ふるさとのための納税制度は2008年にスタートした。初年度の納税額は73億円であったので、10年で38倍になったことになる。過度な返礼品で議論があるが、ふるさとを思う心は率直に大切にしたい。ふるさと納税を知っているかどうかについて全国と岡山を比較すると、全国では認知度がほぼ100%であるにも関わらず、岡山では56.4%と半数程度に留まっている。岡山は豊かな土地なので、もっとこの制度の認知の徹底を図り活用すべきであると考える。

 ふるさと納税をする理由は全国では返礼品が欲しいとか、節税、地域の応援が高いが、岡山では節税の理由が全国に比べて高いところに特徴がある。豊かな岡山はもっと恵まれない地域への積極的な応援をしてもよいのではないだろうか。

 直近のふるさと納税を利用した人気の県は、岡山も全国も大きく変わらず、北海道や宮崎県、山形県が多い。岡山県へのふるさと納税は岡山県民が1位を占めている。地元への愛着が高いと言うことなのだろうか、それとも少し利己的なのだろうか。

本誌:2017年7.17号 9ページ

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