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人生、ニャンともならない

 コンビニの本・雑誌コーナーには思わず手に取ってみたくなる本がさりげなく並んでいます。これら料理、趣味、健康、マニュアル本などに混じって人生論も売れ筋商品のようです。猫に人生を語らせる「人生はニャンとかなる!」は「明日に幸福をまねく68の方法」という副題がついていてロングセラーです。

 ネコの写真に癒され言葉に励まされる仕組みになっていてほほえましい。ところが我が家には幸福を招くはずの猫が合計12匹もいるのですが、多すぎて私は四苦八苦。そもそもなぜ12匹かというと、11年ほど前、散歩道に段ボールに入れられて捨てられていた赤ちゃん猫(メス)を保護しミーシャと名付けて飼い始めたのが悲劇の発端でした。

 ミーシャはすぐ大人になり避妊手術をする間もなく妊娠、子猫5匹を生みました。授乳が終わったら手術をと思っていたらまたも妊娠、また5匹出産!その上もう1匹捨て猫が加わり総勢12匹になりました。全部を同じ場所で飼うことはできず、今は実家とマンションに分かれて6匹ずつ仲良く暮らしています。

 ところが最近マンションの猫のうち1匹が血尿を出していることに気づきました。見た目はみんな元気で、どの子が病気なのか見当もたたず考えあぐねて獣医さんに相談しました。獣医さんも、当然のことながら、個体が識別できないと治療は無理、と言われ途方に暮れています。

 1匹ずつ檻に入れてみようにも、もともと私のことを餌を運んでくるおじさんとしか思っていない猫たちは警戒心が強く、素直に檻なんかに入りません。それにそんなことをしたら5匹の母親であるミーシャはいまだに母性が強く残っていて子どもの叫び声を聞きつけると私に本気で食ってかかり私は血塗れになります。

 したがってまずミーシャを実家に移し、残りの5匹を順番に檻に入れて採尿という段取りを実行すればいいのですが、実家の猫たちはもうミーシャが母親であることはとっくに忘れているので喧嘩しそうです。でもまごまごしていたら命取りに、と心配はつのる一方です。……どの子もあと10年は生きそう。この先すべての猫が生涯を終えるまで私が先にダウンすることもかなわず私の悩みはかなり深刻です。

 コンビニのネコちゃん、「人生、ニャンともならないよ!」。

本誌:2017年3.20号 16ページ

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